足首(足関節)のしくみと動きの特徴

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足首の仕組みと動きのトップ画像 一般の方向け記事

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足関節の痛みとは

足関節(足首)の痛みは、歩いていたりスポーツ動作における捻挫や、アキレス腱の損傷・断裂、足関節の動きに関与する腱の問題が関係していると考えられます。

足関節は体重がかかる関節であり、地面に最も近い関節になります。
また、前後方向の重心のコントロールを行う部分でもあり、非常に重要な部分になります。

捻挫などの怪我の後、痛みがすぐに治るため軽視されやすい傾向にありますが、その時にケアをしないせいで膝関節→股関節→腰というようにかけ離れた部分に症状を呈する原因となる可能性もあります。

そこでまず、足関節のしくみと動きを知っていただき、その後で痛みの原因となる部分をご紹介します。

足関節のしくみ

足関節は、内側と外側にある”くるぶし”の部分を結んだ線の場所に存在しています。
内側のくるぶしは、脛骨けいこつというスネの骨の末端です。

反対に外側のくるぶしは、腓骨ひこつという膝下の外側にポコっと出ている骨の末端であり、ほとんど体重のかからない部分になります。

この2つの骨が、足関節の”ドーム状の屋根”の部分を作っており、靭帯で強く結合されていてほんのわずかにしか動きません。
これを『遠位脛腓靭帯結合えんいけいひじんたいけつごう』といいます。
(「そんなのがあるんだ〜」くらいにとらえてもらって大丈夫です!)

このドーム状の屋根にうまくはまり込んでいる『距骨きょこつ』という骨があります。
この骨によってドーム状の凹凸がうまくはまり込んで、足関節が構成されています。

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足関節の靭帯

足関節の周りを覆う靭帯は多く存在しており、大きく分けて内側と外側に分けることができます。

くるぶしの位置が内側と外側で違っており、もともと”内側が高くて外側が低い”構造になっているため、『足首を内側にひねりやすく外側にはひねりにくい』という骨の構造上の特徴があります。
そのため、外側の靭帯を損傷してしまうことの方が多いということになります。

外側の靭帯は3つの靭帯で構成されています。

外側のくるぶしから始っており、距骨の前方に向かう靭帯・かかとの骨に向かう靭帯・距骨の後方に向かう靭帯とそれぞれ方向が違います。
これらを総称して、外側側副靭帯といいます。

内側の靭帯は内側のくるぶしから始まっており、距骨の前方に向かう靭帯・距骨のさらに前方にある骨(舟状骨しゅうじょうこつ)に向かう靭帯・かかとに向かう靭帯・距骨の後方に向かう靭帯というように、4つの靭帯で構成されています。
これらを総称して、内側側副靭帯といいます。

足関節の筋肉

足首を覆う筋肉は、足首を動かす筋肉と足の指を動かす筋肉の両方が通過しています。

足関節の前面は、足首を上方に曲げる『前脛骨筋ぜんけいこつきん』と、指を反らせる『長母趾伸筋ちょうぼししんきん』『長趾伸筋ちょうししんきん』があります。

長腓骨筋・短腓骨筋・前脛骨筋・長趾伸筋

足関節の後面は、つま先立ちをするために使われる『腓腹筋ひふくきん』と『ヒラメ筋』があります。

腓腹筋・ヒラメ筋のイラスト

足関節の内側を通過するのは主に腱になりますが、足を内側に曲げる『後脛骨筋こうけいこつきん』と、指を曲げる『長母趾屈筋ちょうぼしくっきん』『長趾屈筋ちょうしくっきん』の腱が通ります。

後脛骨筋・長母趾伸筋・長趾屈筋

足関節の外側を通過するのも腱で、足を外側に曲げる『長腓骨筋ちょうひこつきん』『短腓骨筋たんひこつきん』の腱が通ります。

長腓骨筋・短腓骨筋・前脛骨筋・長趾伸筋

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足関節の動き

足関節の動きは、主に2つになります。

かかと歩きをするように足を上方に曲げる『背屈はいくつ』という動きと、爪先立ちをするように足を下方に曲げる『底屈ていくつ』という動きになります。

背屈の動きを行う時には、両方のくるぶしによってドーム状の屋根の下を距骨がもぐりこむように入り込みます。
反対に、底屈の動きを行う時には、距骨が前方に顔を出すように引き出されます。

足関節が背屈に位置している時は、骨同士が密接しており非常に安定しています。
底屈に位置している場合、距骨が前方に引き出されてしまうため、グラグラと不安定な状態です。

ある一定のポイント以上に、距骨が動きすぎないよう安定させているのが、靭帯の役割になります。
足は内側・外側に曲げる動きも可能ですが、足関節ではほとんど行われないのが特徴で、これらの動きは足部で行われています。

足関節回外・回内の動きのイラスト

これに関しては、足部のしくみと動きの記事でご紹介していきますのでそちらをご参照ください!

足関節の痛みの原因

足関節周囲で痛みが生じる病態を以下にご紹介します。

足関節前面の痛み

  • 前脛骨筋腱の痛み
  • 趾伸筋腱の痛み
  • 前面の脂肪組織の挟み込まれることによる痛み
  • 前方に位置する靭帯の損傷
  • 距骨の動きの制限
足関節後面の痛み

  • アキレス腱の部分・完全断裂
  • 腓腹筋・ヒラメ筋の損傷
  • アキレス腱の深層に位置する脂肪組織の痛み
  • 変形に伴った骨棘による痛み
  • 三角骨(過剰骨)による痛み
足関節内側の痛み

  • 捻挫による靭帯の損傷
  • 後脛骨筋腱の痛み
  • 内側を通る神経の痛み
足関節外側の痛み

  • 捻挫による靭帯の損傷
  • 腓骨筋腱の痛み

痛みの部位によって、多様なことが考えられます。

また、痛みは特定の部分に出現しますが、痛みの原因は足関節にあったり、身体の他の部分にあったりします。

痛みの場所によって、それぞれ記載しているページがありますので、参考にしていただければ幸いです。

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まとめ

足関節のしくみと動きを少しでも知っておくと、”痛みの原因を把握すること” や ”痛みを改善すること”、”からだの機能を向上させること”に役立つことでしょう。

痛みの原因が筋肉によるものか、あるいは関節によるものか、または神経の問題なのかを鑑別することは難しいため、痛みが長期化している場合は専門家に相談すると良いでしょう。

相談先がない方は、ご気軽にこちらのお問い合わせフォームよりご相談ください!

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