理学療法士がオススメする股関節の柔軟性・機能を向上させるためのストレッチ方法5選

理学療法士がオススメする股関節の柔軟性・機能を向上させるためのストレッチ・エクササイズ方法5選のトップ画像 セルフケア

スポンサードサーチ

股関節は重要である

股関節は、身体の中心に近い部分に存在し大きな可動範囲を有している関節で、言わずと知れた重要な部分であります。

股関節の骨模型

股関節の柔軟性は、腰痛や膝痛を改善するため、また痛みを予防するためにも必要であります。そして、腰・膝だけでなく足や肩・首の痛みに関しても、改善・予防に繋がるものと考えられます。運動・スポーツをされている方にとっては、股関節が動かなくては良いパフォーマンスを発揮できないでしょう。

このようなことから、老若男女、普段の生活〜ハイレベルでスポーツを行うまで、股関節の柔軟性は必須であると言えます。

股関節を曲げてストレッチをする女性

普段の生活を送るだけでも、筋肉を使って動いているので筋肉は収縮(力が入り縮む)しています。
それを伸ばす機会がなければ、筋肉は縮まったままとなり、徐々に筋肉の長さが短くなり(短縮)、やがて股関節が硬くなってしまいます。硬さ気づく頃には、身体のどこかの部分に違和感・痛みが生じているかもしれません。

そのため、普段から股関節を動かし、股関節周りの筋肉をストレッチすることで、身体のコンディションを整えていきましょう!

股関節のしくみ

骨と関節の動き

股関節は、骨盤の骨(寛骨)と太ももの骨(大腿骨)によって構成されています。太ももの骨の先端は丸い形状をしており、骨盤の骨がカップ状の受け皿となって覆っています。

股関節:大腿骨頭と寛骨臼のイラスト

この形状から、股関節は様々な方向へ大きく動かすことができます。

股関節の動き
・曲げ伸ばし(屈曲・伸展)
・左右に開く(内転・外転)
・左右に捻る(内旋・外旋)

普段の生活の中では、この6方向への動きを組み合わせて動いているため、どこかの方向の動きが制限されてしまうと生活上で違和感を感じ始めるかもしれません。

また、骨・関節の形状は人それぞれ違うため、動きの可動範囲は人それぞれ違ってきます。
詳しく知りたいという方は、『臼蓋形成不全の方が注意するべき股関節の動かし方』の記事をご一読していただけると良いかもしれません。

筋肉

股関節の周りは多くの筋肉によって覆われています。

前面は、腸腰筋大腿四頭筋といわれる筋肉が存在します。この筋肉は脚を前に曲げる(股関節屈曲)作用を持っており、硬くなると脚を後ろに伸ばすことが難しくなります。

大腿前面の筋群

後面は、ハムストリングといわれる筋肉が存在します。この筋肉は脚を後ろに伸ばす(股関節伸展)作用を持っており、硬くなると脚を前に伸ばすことが難しくなります。

後面〜外側面は、お尻の筋肉が多数存在します。
お尻の筋肉の中でも一番大きく重要なのが大殿筋であり、脚を後ろへ伸ばす・横へ開く(股関節外転)作用を持っています。

股関節伸筋群:大殿筋・ハムストリングのイラスト

内側面は、内転筋が存在します。内転筋は6つあり、脚を内側に閉じる(股関節内転)作用を持っています。

股関節内転筋群のイラスト

これらの大きく分けて4つの面の筋肉が硬くなってしまうと、股関節周囲のつまり感や痛みだけでなく、股関節の硬さを庇って動いている結果として腰や膝が痛くなってしまう可能性があります。

股関節前面の痛みについて問診される女性

以下、部位毎に分けて、5つのストレッチの方法をご紹介していきます。

毎日全てのストレッチに取り組んでいただいても良いですし、日替わりで1つ2つ選んで行っていただくのでも構いません。とにかく日々の継続が大切となりますので、シャワーを浴びたり、歯磨きをするみたいに、日々のケアをしていただけると良いでしょう!

スポンサードサーチ

大腿四頭筋(もも前)

このストレッチは股関節だけではなく、背骨や肋骨も動かされるため、非常にオススメなストレッチ方法になります。

ストレッチ方法

  1. 横向きで寝て、片側股関節を90度曲げて、手で膝を上から抑えます
  2. もう一方の膝を曲げて、反対側の手で足を持ちます
  3. 膝が後ろにいくように手で引き、もも前のストレッチ感を得ましょう
  4. 肩甲骨が床あるいはベッドにつくよう、上半身を捻ります
  5. 可能な範囲まで捻ったところで深く息を吸い、息を吐く時にさらに上半身を捻ります
  6. 深呼吸を5回繰り返して1〜2セット行いましょう

上記のストレッチを行う時の注意点です。

※動作中に痛みを感じる場合は、姿勢や動き方が違う可能性があります。
※姿勢や動かす方向を変えても痛みが生じる場合は、エクササイズを中止しましょう。

大殿筋(お尻)

お尻のストレッチ方法はたくさんありますが、その中でも効果の高い『四つ這い』の体勢で行うストレッチ方法をオススメします。

ストレッチ方法

  1. 肩の下に手・股関節の下に膝がくるように四つ這いになります
  2. 片脚を伸ばして、体幹と一直線にします
  3. お尻を後ろに下げていき、お尻のストレッチ感を得ましょう
  4. 左右5〜10回を2セットずつ行いましょう
上記のストレッチを行う時の注意点です。
※大丈夫な方は、膝を外に向けるように位置を少しズラしましょう。
※股関節のつまり感が生じてしまう方は、膝の位置を外側に少しだけ移動させましょう。
※お尻がうまく伸ばせないという方は、後ろに下がる方向を真後ろではなく、斜め後ろ方向(少し横方向)に動かしていくと良いでしょう。

スポンサードサーチ

内転筋(内もも)

片膝立ちの姿勢で、内もものストレッチを行っていきましょう!

ストレッチ方法

  1. 肩の下に手・股関節の下に膝がくるように四つ這いになります
  2. 両手のラインまで片脚を前に伸ばします
  3. お尻を前へ移動させて、内もものストレッチ感を得ましょう
  4. 左右5〜10回を2セットずつ行いましょう

※足を外側にズラした位置にした方が、ストレッチ感を得られやすいでしょう。

ハムストリング(もも裏)

内もものストレッチの体勢から、お尻を後ろへ引いていくことで、もも裏のストレッチを行っていきましょう!

ストレッチ方法

  1. 肩の下に手・股関節の下に膝がくるように四つ這いになります
  2. 両手のラインまで片脚を前に伸ばします
  3. お尻を後ろへ移動させて、もも裏のストレッチ感を得ましょう
  4. 左右5〜10回を2セットずつ行いましょう

※ストレッチ感が足りない方は、脚を前に接地すると良いでしょう。

スポンサードサーチ

腸腰筋(付け根・鼠径部)

片膝立ちの姿勢で股関節前面の付け根のストレッチを行いましょう!

ストレッチ方法

  1. 股関節・膝関節を90°曲げて、片膝立ちの姿勢をとります
  2. 前の脚をさらに前へ移動させましょう
  3. 身体を前へ移動させて、ももの付け根のストレッチ感を得ましょう
  4. 左右5〜10回を2セットずつ行いましょう

※ストレッチ感が足りない方は、前側の脚をより前に接地すると良いでしょう。
※両手で膝を下に押すことで、お腹の筋肉に力が入りやすくなります。

腰を反らないように注意しながら行い、腹筋も少し意識しながら行うと効果的です。

上記のことでご相談やご質問等がある場合は、お問い合わせフォーム匿名でできる質問箱などをご利用ください。

コメント