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臼蓋形成不全とは
臼蓋形成不全とは、先天的・後天的な股関節の構造的問題のことです。
股関節は、骨盤側の受け皿(凹み)となっている寛骨臼と、太ももの骨の大腿骨によって構成されています。
寛骨臼の部分を”臼蓋”と言いますが、臼蓋は本来大腿骨を覆うような形をしています。
しかし、この臼蓋の発育が不完全なために、大腿骨をうまく支えられない状態を『臼蓋形成不全』と言います。
いわゆる『股関節の被りが浅い』と言われるような状態です。
現時点で痛み・違和感などの問題が生じていない場合でも、負担のかかるような姿勢や動作を繰り返していると、将来的に股関節が変形してしまう場合もあります。
骨の形の問題であるため、臼蓋の形が治ることはありません。
そのため、普段の生活では動作を気をつけたり、日々ケアをしていく必要があります。
今回の記事では、日常生活で気をつけるべきポイントや注意点、股関節を安定させるために使うべき筋肉についてご紹介していきます。
股関節外転
まずは、股関節の外転という動きには注意しましょう。
この動きは、脚を外側に開く動きになります。
特に座っているとき、脚を横に開くような姿勢では、関節部分で詰まるような状況になってしまうため、負担が大きくなってしまいます。
お子様を抱き抱えて太ももに乗せる時や、犬を太ももに乗せる時などでは、脚を外側に開く機会がどうしても多くなってしまうため、注意していくべきポイントになります。
太ももの付け根に、少しでも違和感や痛みが生じる場合は、すぐにその姿勢を変えたほうが良いでしょう。
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股関節外旋
次に、股関節の外旋という動きです。
この動きは、股関節を外側に捻る動きになります。
日常生活で床に座る機会が多い場合、胡座をかくような姿勢は脚を外側に開いているので、股関節への負担は大きくなってしまいます。
先程の股関節外転という動きも混ざっているため、より負担は大きくなっていることが考えられます。
ヨガやピラティスなどでは、このような脚を外側に開く動きが多く出てくるかと思いますが、「なんか変だな?」と感じたらその動作は中止したほうが良いでしょう。
これら股関節外転や外旋の動きをすることを完全にしないというのは無理ですし、動かさないことを押し付けているわけではありません。
ご自身の身体の状態、違和感や痛みなどの症状を感じる場合はすぐに中止したほうが良いでしょう。
また、過度に動かしすぎること、長時間その姿勢でいることが良くないということをご理解いただければと思います。
過度なストレッチはやめたほうが良い
『過度なストレッチはやめたほうが良い』というのにも理由があります。
”柔らかければ柔らかいほど良い”というものではなく、柔らかい中でもご自身でその動きの範囲をコントロールできなければ、その柔らかさは意味がなくなってしまいます。
これまで多くの臼蓋形成不全の方に関わらせていただいていますが、体の柔軟性に問題がある方はごくわずかです。
臼蓋形成不全の場合、股関節は不安定な状態であるため、非常に良く動くことが多いです。しかし、その動かせる範囲を”適切にコントロール”できる方は少ないです。
過度にストレッチをするということは、筋肉を引き伸ばし動かせる範囲を広げていくために行います。筋肉の活動が”抑制”され、力の入りが悪くなってしまうことがあります。
既に柔らかい方は確認程度に行っていただき、それ以上ストレッチする必要はありません。
筋肉が硬くなっていると感じるのであれば、フォームローラやテニスボールなどを用いて、筋肉を直接マッサージすることの方がオススメです。
こちらの記事では、開脚ストレッチをやりすぎることの危険性について解説していますので、ぜひご参照ください。
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股関節を安定させるトレーニング
臼蓋形成不全では、股関節を安定させていくことが必須になります。
つまり、ご自身が現在動かせる範囲を、適切な筋肉を使いながら練習していく必要があります。
股関節周囲で使うべき筋肉・使って欲しい筋肉は3つあります。
- お尻
- 太もも裏
- 内もも
これら3つの筋肉をそれぞれ個別に使うこと、そして同時に力が入るように練習していく必要があります。
個別にトレーニングしたとしても、その筋肉だけを使う場面はありません。さまざまな部分が連動して身体を支えてくれますので、最終的には『3つの筋に同時に力が入っている感覚を掴むこと』が目的となります。
どこの筋肉が弱くなっている・機能が低下しているかは人によって違いますので、「このトレーニングだけすれば良い!」という言い方は今回避けさせていただきます。
まとめ
臼蓋形成不全の方が日常生活で注意するべきポイントを以下にまとめます。
- 脚を外側に開かない
- 脚を外側に捻らない
- 過度なストレッチやしない
とにかくポイントは”外側”ということです。
ただし、外側に開く・捻る姿勢や動作を”絶対に”・”全く”してはいけないということではありません。
違和感・痛みが生じたらやめる、長時間は避けるようにすることが大切です。
そして、適切な筋肉を使えるように日々練習していくことで、股関節を安定させることができ、日常生活での身体的・精神的ストレスが減ると考えられます。
こちらの記事では、股関節のしくみと動きを詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
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