股関節のしくみと動きの特徴

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股関節の痛みとは

股関節では、立ち上がる瞬間や歩いている時に痛みを感じたり、ずっと座っている時に股関節の外側やお尻の部分に痛みを感じたりします。

また、スポーツにおいて、ボールを蹴る時や走る時にも痛みを生じることもあります。

公園で歩く男性

股関節は非常に大きく動きますので、それだけ負担を受けやすい部分となります。
また、前後・左右方向の重心のコントロールを行う部分でもあり、非常に重要な部分です。

加齢による変化も伴いますので、痛みを放置しているとやがて変形してしまう可能性があります。
そのため、違和感を感じ始めた時から、ストレッチやエクササイズ・運動をしていくことで、股関節にかかる負担を軽減させていく必要があります。

そこで今回は、股関節のしくみと動きを知っていただき、その後で痛みの原因となる部分をご紹介していきます!

股関節のしくみ

股関節は、骨盤と大腿骨だいたいこつによって構成される関節になります。

大腿骨の先端はボールのような形をしており、この部分は大腿骨頭だいたいこっとうと言われています。

骨盤側では、この大腿骨頭を受け皿となるような深いボウル・お椀の形をしており、この部分を臼蓋きゅうがいと言います。

このような形状のため、股関節はきゅう関節に分類されています。

股関節:大腿骨頭と寛骨臼のイラスト

”正常”な股関節では、臼蓋部分が大腿骨頭のほとんどを覆っており、安定した構造となっています。

しかし、生まれつき臼蓋の受け皿の部分が浅く、大腿骨頭を覆う部分が狭い場合もあります。
これを『臼蓋形成不全』といい、子どものころに股関節が脱臼してしまったり、ご高齢になった時に変形してしまう可能性が高くなります。

臼蓋形成不全ついてはまた詳しく書きますので、ここでは割愛させていただきます。

普段何気なく歩く時でさえ、体重の3~4倍の体重が股関節にかかると言われています。
この負担を支えるために、股関節の周りには靭帯や筋肉が存在しています。

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股関節内の組織

関節包

関節を保護するために、関節包という柔軟性のある袋状の組織に覆われています。

関節の前面で厚く、後面で薄くなっていることが股関節の動きに影響しています。

関節唇

大腿骨頭と臼蓋のハマりを良くするために、関節の周りを覆う線維軟骨になります。

関節を安定させ、衝撃吸収に関与します。

この部分を損傷してしまうと鋭い痛みを感じ、やがて変形してしまう可能性があります。

滑膜

関節包の深層(内側)の薄い幕のような組織が滑膜になります。

滑膜は滑液を作り出し、関節内で潤滑油として作用します。

軟骨

大腿骨頭と臼蓋の骨の表面には、弾力・柔軟性に優れた軟骨が存在します。

体重による衝撃を緩和させることが軟骨としての作用になります。

股関節の靭帯

股関節の周りを覆う靭帯は4つあります。

そのうち3つが強靭な靭帯であり、その中でも坐骨と言われるお尻の骨から大腿骨頭の間を繋ぐ靭帯が、身体の中で最も強い靭帯になります。
もう一つは、大腿骨頭を吊るすように存在する靭帯もあり、これにより大腿骨頭に栄養が供給されています。

これらの靭帯は、主に脚を後ろに伸ばす動き(股関節伸展といわれる動きになります)で引き伸ばされ、逆に脚を曲げた状態(股関節屈曲)では緩みます。
また、股関節を捻る動きでも引き伸ばされます。

足関節や膝関節では、靭帯を損傷してしまう怪我が多いですが、股関節では比較的少ないのが特徴です。
それは、先ほどの股関節の形状によるものが大きく影響していると考えられます。

大腿骨頭が臼蓋にしっかりとはまりこんで安定しているため、靭帯が引き伸ばされるほどのストレスが加わりにくいことが考えられます。

また、多くの筋肉にも覆われているため、先に筋肉へのダメージが加わることが多いです。

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股関節の筋肉

股関節を覆う筋肉は、主に腰や骨盤から始まり大腿骨に付着しますが、中には膝関節を超えるところまで走行する筋肉が存在します。
それぞれ、股関節の動きに関与する筋肉をご紹介していきます。

脚を持ち上げて股関節を曲げる動きでは、腸腰筋ちょうようきん大腿直筋だいたいちょっきんが関与します。

股関節屈曲の動作

腸腰筋は、腰から始まる筋肉で、腰を反る働きをします。
大腿直筋は、骨盤から膝下までを走行する筋肉で、膝を伸ばす働きもあります。

脚を後ろに伸ばしていく動きでは、大殿筋だいでんきん・ハムストリングが関与します。

股関節伸筋群:大殿筋・ハムストリングのイラスト

ハムストリングをご存知の方は多いかと思いますが、膝を曲げる筋肉でもあり、腰痛にも大きな影響を与えます。

脚を内側に閉じる動きでは、内転筋が関与します。

股関節内転筋群のイラスト

内転筋には6つの筋肉が存在しており、それぞれ違った作用を持ちますが、まとめて内転筋群と呼ばれています。

外側に開く動きでは、中殿筋ちゅうでんきん小殿筋しょうでんきん大腿筋膜張筋だいたいきんまくちょうきんが関与します。

中殿筋と小殿筋

お尻の横に付着している筋肉で、中殿筋や小殿筋は股関節を安定させるためには重要な筋肉になります。

お尻の深層に存在する筋肉は、まとめて深層外旋筋群といわれ6つの筋肉で構成されています。

股関節深層殿筋群のイラスト

その中でも有名なのが梨状筋りじょうきんといわれる筋肉で、その付近を坐骨神経が通っているため重要な筋肉になります。

股関節の動き

股関節の動きには、6つの方向があります。
脚を持ち上げて股関節を曲げる動きを、股関節屈曲と言います。

この動きに制限が生じてしまうと、靴下を履いたり、足の爪を切ったり、座る姿勢を良い状態で保持することが難しくなってしまいます。

その反対に、脚を後ろに伸ばしていく動きを、股関節伸展といいます。

脚を後ろに伸ばせなくなってしまうと、立つ姿勢が丸くなってしまったり、歩きにくくなってしまいます。

脚を内側に閉じる動きを股関節内転、脚を外側に開く動きを股関節外転といいます。

日常生活において、この単独の動きを行うことはなかなかありませんが、この2つの動きに制限が生じてしまうと先ほどの股関節屈曲や伸展の動きに悪影響を与えてしまいます。

そのほかに、脚を内側に捻る動きを股関節内旋、外側に開く動きを股関節外旋といいます。

この動きは普段何気ない動きの際に、頻回に繰り返されており、股関節屈曲・伸展の際にも捻る動きを伴います。
股関節内旋・外旋の動きに制限が生じてしまっても、股関節屈曲や伸展の動きに悪影響を与えてしまいます。

まとめると、股関節は色々な方向に動かすことができ、それぞれの動きでは相互関係があるため、どの動きも同じくらい重要になります!

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股関節の痛みの原因

股関節周囲で痛みが生じる病態を以下にご紹介します。

股関節前面の痛み

  • 股関節唇損傷
  • 大腿直筋の緊張の増加
  • 股関節を曲げた時の軟部組織が挟み込まれる
  • 鼠径部の痛み(グロインペイン症候群)
お尻の痛み

  • 坐骨神経の症状
  • 殿皮神経の問題
  • 長時間座ることでお尻の筋肉で循環不良が生じている
  • 仙腸関節の機能不全
股関節内側(内腿うちもも)の痛み

  • 内転筋群の損傷
  • 内転筋群の緊張増加
  • 閉鎖神経の問題
股関節外側の痛み

  • 中殿筋・小殿筋の緊張増加
  • 大転子周辺の滑液包の炎症
  • 外側大腿皮神経の問題

痛みの部位によって、多様なことが考えられます。

また、痛みは特定の部分に出現しますが、痛みの原因は股関節にあったり、身体の他の部分にあったりします。

痛みの場所によって、それぞれ記載しているページがありますので、参考にしていただければ幸いです。

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