首の関節や神経が問題となる肩・腕の痛みや痺れの症状

一般の方向け記事

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肩周りの痛みと腕・指先の痺れ

気付いた時には指先の感覚が鈍かったり、首を動かした拍子に腕や指先に痛み・痺れが生じるようになってしまったという方に向けた内容になります。

まだ医療機関を受診されていない方、あるいは既に受診して治療を受けているが改善されないという方が、現在の状態を理解するための手助けとなれば幸いです。

また、『慢性的に肩が凝ってしょうがない』という方も一度目を通してもらえると参考になるかと思います。

首肩周りの痛みは、『筋肉の痛みなのか?』あるいは『関節由来の痛みなのか?』を区別せずに一緒くたにされてしまいがちな部分なので、少し難しい内容になってしまいますが最後までご覧ください!

首(頸椎けいつい)の関節

背骨の中でも首の部分を”頸椎けいつい“と言います。

頸椎のイラスト

頸椎は7個の骨で構成され、それぞれの骨と骨の間にはクッションの役割を果たす椎間板があり、その後ろで関節が構成されています。

これを椎間関節と呼びます。
左右に2つ関節があり、上下左右とあらゆる方向へ動けるように関節が構成されています。

左右2つの関節の間には、“脊柱管”という神経が通る空間があります。

腕・指先を動かしたり、感覚を感じるための神経、呼吸をするための横隔膜をコントロールする神経も通るため非常に大切な部分になります。

骨の周りには靭帯があり、骨の動きを支えています。
また、首の周りには多くの筋肉が覆っていることで、頭・首の緻密な動きを可能にしています。

頸椎は軽く前に反っている(前弯ぜんわん)状態が通常になります。
しかし、スマートフォンの操作が多い人やデスクワークが多い人は、背中が丸くなり『ストレートネック』という状態になってしまいます。

パソコン作業で姿勢が悪い女性のイラスト

これは、本来前に反っているものが丸くなり曲がってしまうため、真っ直ぐになってしまう状態をさしています。

現代病とも言っていいくらい非常に多くの方に見受けられますが、神経が通る道ということを考えるとあまりいい状態ではないことは皆様もお分りいただけると思います。

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椎間関節による痛みについて

姿勢が悪かったり動かし方が悪かったりすると、1つあるいは複数の関節がダメージを受けて、関節の周りに骨が過剰に形成されてしまいます。

それをかばうようにしていると、不適切な動きを繰り返してしまい、さらに違う部分の関節に被害が及んでしまいます。

この状態は徐々に悪化していくため、いずれ変形してしまい、非常に動きが悪くなってしまうことがあります。

悪い動かし場合、頸椎にとってはとても不安定な動きになります。
それを安定させるための身体の代償として、骨を過剰に形成していると考えられます。

レントゲンで骨の棘がある(骨棘こつきょく)と言われた方は、これに当てはまります。

骨自体は神経が通っていないので、痛みを感じません。
しかし、骨棘が形成される際に神経も一緒に流入してしまうので、負担となる動きによって痛みを感じるようになってしまいます。

椎間関節による痛みの範囲

首を動かした際に、下記の図に痛みが出ている場合、椎間関節による痛みを疑います。

後頭部や首の横、肩、肩甲骨周囲に痛みが出るという特徴があります。

上下の頸椎で構成される関節部分によって、それぞれ痛みの出る場所が変わります。

頸椎椎間関節による頸部〜背中の疼痛発生部位

頭に近い方の頸椎に問題がある場合、後頭部や首の付け根に症状が出やすいです。(上図:水色の範囲)

逆に、下の方の頸椎に問題がある場合、痛みの出る場所もだんだんと下になり肩から肩甲骨の範囲に痛みが生じます。(上図:青・緑色の範囲)

この中で最も痛みが出やすいのは、首から肩の付け根にかけての場所になるため、肩こりと勘違いしないように注意が必要です。(上図:青色の範囲)

この場合、筋肉を押しても痛みがないことを確認した上で、椎間関節による問題を疑うこととなります。

痛みの感じ方は、『動かした時の鋭い痛み』『同じ姿勢を取ることでの鈍痛』などがあります。
炎症の初期症状では、『何もしていなくてもズキズキと痛む』こともあります。

※骨棘があることで必ず痛みがでるわけではないので、誤った認識をされないよう注意が必要です。

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腕や指先の痺れについて

頸椎の変形が進んでいくと、脊柱管における神経の通り道に障害物が多くなっていきます。

そうなると、神経を圧迫してしまったり神経そのものの動きが制限されてしまい、痛みや痺れを生じさせます。

中でも多いのは、腕の後ろ〜肘の外側〜指先に痺れが出てくる症状です。

頸椎椎間関節由来の痛み・痺れの範囲:上腕後面〜前腕後面〜手指背側の症状

これは、身体の警告サインになるため、我慢して動かしていれば治るものではなく、逆に悪化してしまう可能性が高いです。

スマートフォンやPCの画面を覗き込むように作業されていると、頸椎の特定の部分に過剰なストレスが加わります。

スマートフォン操作で姿勢が悪い人のイラスト

他に考えられる要因としては、片側の肘掛にもたれる姿勢が多かったり、頬杖をついたり、横向き寝て肘をついてテレビを見るというような生活習慣の積み重ねが影響していると考えられます。

横向きで立て肘で腕枕をして寝る女性のイラスト

片側に症状が出るのは普段の生活の中で何かしら要因が隠れていることがありますので、これを機に気をつけて生活してみてください!

脊柱のストレッチ

首の関節による痛みや痺れの症状を軽減・緩和させるために、脊柱全体を動かすストレッチの方法をご紹介いたします。

首の関節だけを動かしてしまうと、関節へのダメージが増加してしまうため、注意して行なっていきましょう!

骨盤から頭まで連動させながら行うため、首・肩以外の症状がある方にもオススメです!

  • 脊柱のストレッチ・Cad&Dogの屈曲
  • 脊柱のストレッチ・Cad&Dogの伸展
ストレッチ方法

  1. 股関節の下に膝、肩の下に手がくるように四つ這いの姿勢をとります
  2. お腹の方を見るように、お腹を引き込ながら、体全体を丸めていきます
  3. 今度は反対に、正面を見るように胸を張りながら、お尻を後ろに突き出して、体全体を反っていきます
  4. 体を反るときに息を吸って、体を丸める時に息を吐きましょう。
    慣れたら反対の呼吸方法でもできると良いでしょう
  5. 無理のない範囲なるべくゆっくり大きく動かします。10回を2セット行いましょう

首の動きには肩甲骨や背骨、骨盤の動きが関係しているので、全体をコーディネーションする動きの練習になります。

この運動で首に痛みが出る方は、首や頭だけ動かしていたり、動かす順番が良くない可能性があります。

骨盤や肩の部分から動かし始めるように意識すると良いでしょう!

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まとめ

痺れの症状を少し理解できましたでしょうか?

頸椎(首)の関節由来となる痺れの症状は、すぐに改善されるものではありません。

それは、痺れの症状が出るまでに時間をかけてゆっくりと悪くなっているからです。

普段の生活習慣を改めること、作業時の姿勢を変化させていくこと、こまめにストレッチを行うことが必要となるでしょう!

頸椎以外が要因となる痺れもありますので、それに関しては次回ご紹介していきます!

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