膝のしくみと痛みが生じる3つの要因

一般の方向け記事

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膝の痛みとは

中高年の多くの方が『膝の痛み』に悩みを抱えています。

膝周りの痛みは、放っておくと悪化したり、将来変形が生じることで歩きに問題が生じる可能性があります。

まずは膝の構造や動きの特徴などを知っていただき、”痛みがどの部位に生じているのか”、”その痛みは何が要因となっているのか”を把握していただければと思います。

膝の構造

骨・関節

膝関節は人体で最も大きい関節であります。

膝関節は、太ももの骨(大腿骨)、すねの骨(脛骨)、お皿の骨(膝蓋骨)で構成されています。

下肢の骨格

すねの骨の外側にも骨があります(腓骨)が、あまり注目されないことが多いです。

ここには通常、体重がかからないためだと考えられますが、膝の裏側の筋肉(ハムストリング)の一部が付着していたり、膝の外側の靭帯も付着していることもあり他と同じく大切な部分です。

筋肉

ハムストリングの内側や太ももの内側の筋肉(内転筋群のうち、特に薄筋はっきん)は脛骨の内側部分に付いていて、膝を曲げる働きをします。

ハムストリング:半腱様筋・半膜様筋・大腿二頭筋のイラスト

股関節内転筋群のイラスト

反対に、膝の前側の筋肉(大腿四頭筋)は脛骨の前に付いていて、膝を伸ばす働きをします。

大腿四頭筋のイラスト。骨盤から膝蓋骨に走行します。

靭帯・半月板

膝の関節の周りには、十字靭帯(前後)や側副靭帯(内外側)が存在し、膝のひねる動きや横方向のズレを防ぐ役割をしています。

大腿骨と脛骨の間には半月板が存在し、荷重を分散するクッションの役割をしています。

膝関節の靭帯・半月板

関節周囲の靭帯や半月板に負担がかかりすぎないよう、筋力が低下してくる中高年の方は筋肉のケアやトレーニングが重要となっていきます!

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膝の動きの特徴

膝関節の動きは、基本的には曲げ伸ばしの動きになります。

膝は完全にまっすぐ伸ばすことができ、柔らかい人は”逆くの字”になるところまで伸ばせます。
曲がる範囲は、かかととお尻がくっつくところまで曲がり、しゃがむ動きが可能です。

回旋という”ねじれの動き”がありますが、動きの範囲は少ないのが特徴です。

また、横方向にズレる動きは、膝の構造上では無い動きになります。

この動きが繰り返されることは、膝の痛みの原因となる可能性があります。

ひねる動きや横方向のズレの動きは、股関節・骨盤や足と連動してくるので、”膝と股関節・骨盤の連動の記事”や、”膝と扁平足の関係の記事”をご参照ください。

膝の関節での痛み

膝の周りで痛みを感じる主な組織は、筋肉や靭帯、半月板です。

膝の変形が生じてしまうと、関節の痛みも生じてきます。

慢性的に膝にストレスがかかっていると、骨の周りに過剰な骨(骨棘こつきょく)が作られ周囲の組織にストレスを加えたりすることで痛みが生じる可能性があります。

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膝の脂肪組織での痛み

その他には、膝のお皿(膝蓋骨)の下に存在する脂肪体という組織(膝蓋下しつがいか脂肪体しぼうたいがあります。

膝内側構成筋のイラスト

この脂肪体は、膝の曲げ伸ばしの動きを円滑に行えるように補助しています。

膝にかかるストレスが増えて靭帯を損傷したり、炎症などで痛みがあり動かさない期間がある(不動)と、徐々に脂肪体の動きが悪くなり痛みが生じることがあります。

腰が原因となる膝の痛み

もう1つ考えられるのは、腰からの症状です。

腰椎の部分で神経を圧迫してしまうことで、膝の周りに神経症状を呈することもあります。

鑑別が難しいことがありますので、痛みの期間が長引いたりすることもあります。

しかし、股関節周りの動きを改善をすることで、腰椎にかかる負担が軽減することで良くなる場合もあります。

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まとめ

今回は、膝関節のしくみと痛みの要因を3つご紹介しました。

膝に痛みが生じる場合には、膝周りの問題なのか、腰から来ている問題なのかを分ける必要があります。

それは、腰に問題があって膝が痛くなる場合、膝周りだけのケアしていても治らないことが考えられるからです。

次回以降では症状の場所ごとに詳しい内容を記載しているので、是非ご参照ください!

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