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足部の痛みとは
足部の痛みは、足底・踵の痛みや、足背の腱の痛み、外反母趾や第五中足骨の疲労骨折など、足にかかる負担が大きくなると症状が見られる病態が多いです。
これらは、歩き方の問題や普段の体重のかけ方、重心の位置関係などが症状の原因となりうる可能性があります。
足関節と同様、身体の中で地面に最も近い部分であることや、足部に存在する骨の数は人体の中で最も多いこともあり、非常に重要な部分になります。
1日の生活の中において、必ずと言っても良いほど立ったり歩いたりすると思います。
そのため、一度痛みが生じてしまうと痛みがなくなるまでは時間がかかり、治りが遅いというのが特徴です。
放置しても、身体の動かし方や重心の位置関係・歩き方などは変わらないため、再発することも考えられます。
ここで一度、足について正しい知識と正しい理解をしていただき、少しでも痛みが緩和するお手伝いができればと思います。
足部のしくみ
足部は、踵からつま先までを指します。
大きく分けて3分割することができ、前から順番に『前足部』『中足部』『後足部』と分けることができます。
『前足部』は主に、足趾といわれる足の指にあたりますので、曲げ伸ばしの動きをするだけになります。
足裏は本来柔らかいのですが、歩き方に問題があったり、ヒールを頻繁に履く方では体重のかかり具合が過度になったりすると、足裏にタコができて分厚くなり痛みも生じます。
削っても削ってもまた硬くなるのは、この歩き方などの問題が解決されていないからと考えられます。
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後足部のしくみ
後足部は、『距骨』『踵骨』の骨で構成される『距骨下関節』という部分になります。
この関節は、縦・横・斜めと非常に柔軟に大きく動く関節です。
歩く時には最初に踵から接地しますが、地面の状態・靴の状態などに合わせて、この距骨下関節が柔軟に対応しています。
また、後足部の位置関係によって、中足部・前足部の動きに影響を与えます。
そのため、後足部が安定している状態であることが、中足部・前足部の筋肉を適切に機能させることにもつながり、足部の痛み全般的に良い方向へ向かうためには必要なことになります。
後足部の動き
この後足部は柔軟に動きますが、ヒトの動作においては『回内』と『回外』という動きを行います。
後足部の回内は、踵骨の上に存在する距骨の位置が崩れており非常に不安定な状態となりますが、地面や靴の環境には柔軟に対応できるという状態です。
後足部の回外は、踵骨と距骨が真っ直ぐに合致した状態で安定した状態となりますが、固めた状態になってしまい柔軟に対応できない状態です。
歩く時には、”足を着く瞬間”や”蹴り出す瞬間”などタイミングによって、この回内と回外を切り替えています。
(人間の身体はすごいですね…)
そのため、どちらが悪いという話ではなく、両方向とも動ける状態であることが理想です。
例えば、後足部が回内の状態であると、扁平足の度合いが増します。
この状態が長期間継続すると、その位置から元に戻すことができなくなります。変形してしまい、その位置で固まってしまうこともあります。
そうなると、足部に痛みなどの症状をきたしやすくなってしまうでしょう。
まとめると、ここで重要なのは、回内・回外とも柔軟に動ける状態が重要であるということです。
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中足部・前足部のしくみ
中足部は、数多くの骨で構成されているため、関節の数も多いです。
『舟状骨』『立方骨』『楔状骨(内側・中間・外側の3つの骨)』で構成されており、柔軟に動かすことができます。
前足部は、『中足骨』『基節骨』『中節骨』『末節骨』で構成されています。
歩く時に、踵から接地して中足部に体重がかかり、蹴り出す時に前足部に体重がかかります。このタイミングで骨の位置関係・筋肉が適切に機能することで、安定して身体を支え推進力を生み出すことができます。
足にはアーチという地面から浮いていて、骨の位置関係を保つためには重要な部分が存在しています。
”土踏まず”という内側のアーチを知っている方は多いのではないかと思いますが、この中足部・前足部には『横のアーチ』が存在しています。
このアーチがあることで、片脚でバランスよく身体を支えたり、踏ん張って下半身に力を入れることができます。
中足部の横のアーチは、足裏にある『短趾屈筋』や、ふくらはぎの方から足裏にかけて存在する『後脛骨筋『長腓骨筋』によって支えられています。
中足部・前足部の動き
中足部は、後足部と同様に『回内』と『回外』という動きを行います。
扁平足になるような内側のアーチが潰れる動きが回内で、その反対に内側のアーチが持ち上がる動きが回外になります。
基本的には回外方向の方が安定しており、歩く時の蹴り出しやジャンプ動作などのつま先で踏ん張る時に、力の伝達が良くなります。
しかし、過度に回外していると『ハイアーチ』という状態になり、足の指は常に反ってしまいます。
そのようになると、指先で踏ん張ることが難しくなってしまうので、身体のどこかに支障が生じる可能性があります。
つまり、回内では内側と横のアーチが潰れて不安定になってしまう、過度な回外でも足・足趾で踏ん張ることができなくなってしまう状態ということです。
回内・回外の両方向に動かせるのと、”適度”に回外で保持できることが重要になります。
前足部も中足部と同様に、回内・回外の動きを行いますが、さらに屈曲・伸展の曲げ伸ばしの動きも行います。
この前足部の曲げ伸ばしの動きに制限が生じている場合、歩くときにうまく蹴り出せないため前へと進みにくなってしまうでしょう。
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足部痛みの原因
- 足背の痛み:趾伸筋腱の問題
- 足底の痛み:足底腱膜の問題
- 踵の痛み :足底腱膜・母趾外転筋の問題
- 内側の痛み:前脛骨筋・後脛骨筋腱か神経の問題
- 外反母趾 :母趾の機能・歩き方の問題
- 内反小趾 :小趾の機能・歩き方の問題
- 第五中足骨:歩き方・荷重のかけ方の問題
- 足底のたこ:中足部の機能・歩き方の問題
- 第2-4趾 :モートン病→神経種の問題
- 母趾-示趾間:神経の問題
これらの部分の痛みは、上記の問題が考えられます。
その他にも、腰椎の部分で神経圧迫が生じている場合、足に痺れの症状が生じる可能性もありますが、これには専門家の精査が必要です。
最初にも述べましたが、足部の問題はほとんどが体重の乗せ方・歩き方に問題があると考えられます。
しかし、歩く時に意識をしても痛みは回避できるかもしれませんが、治るわけではありません。
また、”歩く”という動きは、ほとんど自動化されているため、意識したところでスムーズな動き方ができなくなる可能性が高いです。
そのため、何かを意識して歩くことはしない方が良いかもしれません。
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