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Tarsal Tunnel Syndrome(足根管症候群)
足根管症候群とは、足関節の足根骨と屈筋支帯に囲まれたトンネル内にて、脛骨神経が圧迫されて生じる絞扼性神経障害のことです。
足根管内の脛骨神経、またはその2つの枝の内側・外側足底神経の圧迫に起因することがあります。
症状としては、夜間・荷重時・歩行時などで足底に広がる痛みや痺れを呈します。
では、データをみていきましょう!
Triple Compression Stress TestとDorsiflexion-Eversion Testは、特異度が高値を示しています。
Triple Compression Stress Testでは、足根管内の神経が圧迫されることで症状が再現するのかをみています。
Dorsiflexion-Eversion Testでは、脛骨神経に伸張ストレスを加えることで症状が再現されるのかをみています。
どちらも良いテストであり、両方の結果を組み合わせて考慮するのが望ましいと考えられます。
Triple Compression Stress Test
テスト名通り、底屈・内反・圧迫の3つの圧を加えるテストになります。
- 足関節を底屈・内反させます
- 屈筋支帯および脛骨神経の部分に圧迫を加え30秒間保持します
- 痛みや痺れなどが再現されれば陽性です
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Dorsiflexion Eversion Test
今度は、脛骨神経に伸張ストレスを加えるテストになります。
- 足関節を背屈・外反させます
- さらに足趾を伸展させます
- 痛みや痺れなどが再現されれば陽性です
- 痛みや痺れが出ない場合、さらに脛骨神経に圧迫を加えた結果、症状が再現されれば陽性です
最後に脛骨神経に圧迫を加えた方が、テストの感度が高くなり陰性尤度比の値も高くなりますので、取り入れた方が良いでしょう。
まとめ
今回は足根管症候群の疑いがある際に行うべき評価方法でしたが、このほかSLR(Straight Leg Raise)やSlump Testなども行い、腰椎神経根の問題はないか確認した方が良いでしょう。
足底の痛みがある場合は、足底筋膜炎との鑑別も必要となります。
脛骨神経の問題を長期間有している場合、足趾屈筋の筋出力が低下している場合があります。屈筋支帯での神経絞扼が疑われる場合、スペシャルテストだけではなく、内果後下方領域のモビライゼーションを試験的に行ってみて、症状に変化が生じるかを評価しても良いかもしれません。
総合的な問題として歩行時の後足部過回内が起因となっていると、足底筋膜炎でも足根管症候群でもアプローチ方法が結果的に同じになってくると思います。
しかし、適切に臨床判断をすることで、その介入の過程を変えていくことができ、改善するまでの期間を短くできるのではないかと考えられます。また、患者さんへの情報提供という意味でも、状態を適切に把握することは必要なことであると考えます。
こちらの記事では、足根管症候群の原因と症状、足底筋膜炎と足根管症候群の鑑別の必要性をまとめていますので、併せてご参照ください!
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コメント
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