評価・スペシャルテストにおける感度・特異度・尤度比

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はじめに

今回の記事では、感度・特異度・尤度比について解説していきます。

これまで評価・スペシャルテストの記事で度々登場している単語になりますが、「そもそもどんな意味で、何を表しているの?」ということに関する内容となっています。

医学論文の写真

感度・特異度・尤度比を正しく理解することで、スペシャルテストを正しく使用することができ、病気・疾患を除外したり確定したりすることができます。
疾患の診断は医師が行うことになりますが、セラピストも臨床的診断・機能的診断を行い、病態を把握する必要性があります。

『セラピストであれば知っておいた方が良い内容』ですので、これを機にぜひ覚えていただければ幸いです!

ではいきましょう!

感度・特異度とは?

感度と特異度は、臨床検査の信頼度を表す指標です。

一般的に、ある病気を診断するために検査を行った時、病気であるという”陽性”を示す割合が『感度』、病気ではないという”陰性”を示す割合が『特異度』と呼ばれています。

検査が100%陽性ということは理想ですが、このようなことはあり得ないことはお分りいただけるかと思います。

それは、陽性の中には真陽性・偽陽性があり、陰性にも真陰性・偽陰性があるからです。

真陽性・真陰性・偽陰性・偽陽性のイラスト

検査が陽性となっても、病気が実際にある場合とない場合があります。

病気がある場合が真陽性、病気がない場合が偽陽性となります。
反対に、検査が陰性で病気がない場合は真陰性、病気がある場合は偽陰性となります。

真陽性
病気あり + 検査陽性
偽陽性
病気なし + 検査陽性
偽陰性
病気あり + 検査陰性
真陰性
病気なし + 検査陰性

では、感度・特異度に関してそれぞれ解説していきます。

感度

感度の定義です。

ある疾患を持つ人のうち、検査で陽性と正しく判定される割合です。

感度が高いということは、『陽性の者を陽性と正しく判定する可能性が高い』ということになります。

つまり、『感度が高い検査結果が陰性であれば病気がない』と考えられます。

感度の説明

これにより、除外診断(Rule-out)が可能となります。
検査が陰性の場合、病気があるのに陰性としてしまう”偽陰性”の割合が少なくなると考えて良いでしょう。

特異度

特異度の定義です。

ある疾患を持たない人のうち、検査で陰性と正しく判定される割合です。

特異度が高いということは、「陰性の者を陰性と正しく判定する可能性が高い」ということになります。

つまり、『特異度が高い検査結果が陽性であれば病気がある』と考えられます。

特異度の説明

これにより、確定診断(Rule-in)が可能となります。
検査が陽性の場合、病気がないのに陽性としてしまう”偽陽性”の割合が少なくなると考えて良いでしょう。

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尤度比

尤度ゆうどとは、確率と非常に似たような言葉と解釈しても良いですが、考え方が微妙に違います。

尤度比は、ある検査をして結果が得られた時に、実際に病気があることがどれほどありえそうか(もっともらしいか)を表したものです。

尤度比は、感度・特異度の比を表すものであり、陽性尤度比と陰性尤度比の2つがあります。

陽性尤度比

陽性尤度比(Positive Likelihood Ratio:LR+)は、検査陽性という結果が疾患がある人から得られた可能性が、疾患がない人から得られた可能性の何倍なのかを表しています。

感度÷(1-特異度)で算出することができます。

陽性尤度比=感度÷(1-特異度)

感度・特異度の数値が大きいほど、尤度比も大きな値となります。10以上の値になると、有効な検査であると判断できます。

10以上 検査結果が大きく決定的な影響を与える
5〜10 検査結果が適度な影響を与える
1〜2 検査結果がほとんど影響を与えない

陰性尤度比

陰性尤度比(Negative Likelihood Ratio:LR-)は、検査陰性という結果が疾患がない人から得られた可能性が、疾患がある人から得られた可能性の何倍なのかを表しています。

(1-特異度)÷感度で算出することができます。

陰性尤度比=(1-特異度)÷感度

感度・特異度の数値が大きいほど、陰性尤度比は小さな値となります。0.1以下の値になると、有効な検査であると判断できます。

0.1以下 検査結果が大きく決定的な影響を与える
0.1〜0.2 検査結果が適度な影響を与える
0.2〜0.5 検査結果がわずかに影響を与える
0.5〜1.0 検査結果がごく稀に影響を与える

まとめ

今回の話は、少し小難しい内容だったと思います。

感度・特異度・尤度比を考慮して評価することで、臨床的診断を適切に行えると感じます。

『これまでの内容が頭に入らない』『どうしても毎回忘れてしまう』という方は、以下のまとめだけでも覚えるだけで良いでしょう!

感度・特異度のまとめです。

感度が高い検査で陰性 除外診断
特異度が高い検査で陽性 確定診断

陽性尤度比と陰性尤度比のまとめです。

陽性尤度比が高い検査で陽性 確定診断
陰性尤度比が低い検査で陰性 除外診断

数多くあるスペシャルテスト・整形外科テストの中で、どれを選択して、どのように解釈するかが非常に重要です。

これまでの部位・病態ごとに解説していますので、皆様の参考になれば幸いです。

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参考文献

  1. 日本理学療法士協会:EBPT用語集
  2. Evidence-Based Physical Therapy:根拠に基づいた理学療法, EBPTチュートリアル, 日本理学療法士協会

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