頸椎神経根症状の病因・特徴・上肢疾患との鑑別方法

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頸椎神経根症状

頸椎神経根症状は、”椎間板ヘルニア”・”椎間孔狭窄”・”頸椎の変形”によって、神経根に圧迫・伸張・刺激が加わることによって生じます。

主な症状としては、頸部の痛み、上肢への放散痛・痺れ、上肢・頸部の感覚障害・運動機能障害が引き起こされます。

首を押さえる女性

ほとんどの場合は片側だけの症状ですが、両側にも症状をきたすことがあります。

あらゆる年代において発生する可能性がありますが、40〜50歳代で最も顕著に現れる症状です。

今回の記事では、頸椎神経根症状の病因と特徴、上肢疾患との鑑別方法についてまとめていきます!

病因

神経根に刺激や圧迫ストレスが加わってしまうメカニズムは大きく分けて2つあります。

1つ目は椎間孔の狭窄、および骨棘による頸椎の変形により生じます。これは、年代が高くなるにつれて多い傾向にあります。

2つ目は椎間板ヘルニアで、こちらは比較的若年層に多い傾向になります。

メカニズム

  • 椎間孔の狭窄・骨棘
  • 椎間板ヘルニア

頸椎に加わる機械的刺激・圧迫は、神経根にあらゆる方向から影響を及ぼし、神経根の可動を制限します。

神経根が圧迫されたまま上肢を動かすことは、神経に伸張ストレスが加わる可能性があり、これも症状を引き起こす可能性があります。

また、炎症自体、あるいは神経根の圧迫に関連した炎症が、症状を引き起こす主な原因であるとも考えられています。神経根症状を有する多くの方が、数週間〜数ヶ月で自然回復することからも、この可能性は大いにあります。

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症状

頸椎神経根症状の主な症状は、皮膚分節(デルマトーム)に対応する放散痛・痺れ・感覚異常、首や肩甲骨周辺の痛み、上肢・頸部の感覚・運動機能障害があります。

症状

  • 上肢への放散痛・痺れ
  • 頸部痛・肩甲骨周辺の痛み
  • 上肢・頸部の感覚・運動機能障害

放散痛がないからといって、神経根へのストレスが除外されているわけではありません。
痛みの症状を伴わない感覚障害や運動障害も見られます。

以下が上肢のデルマトームになります。

C2 後頭部・額・こめかみ
C3 頸部・下顎
C4 肩・鎖骨部・肩甲骨上部
C5 肩・上肢前面〜母指の付け根
C6 上腕前面〜母指・示指
C7 上腕・前腕側面〜中指・環指
C8 上腕・前腕内側面〜中指・環指・小指

以下は運動神経支配になります。

C2 頸部屈曲・伸展
C3 頸部側屈
C4 肩関節屈曲
C5 肩関節外転
C6 肘関節屈曲・手関節背屈
C7 肘関節伸展・手関節掌屈
C8 手指伸展
T1 手指外転

感覚・運動神経障害としては、これらの部位に症状が見られると考えられます。
ただし、必ずしも一致するわけではないので、注意は必要かもしれません。

その他、頸部・胸部の可動性が制限されることがあります。

頸椎の動きに伴い椎間関節が狭窄していく場合、可動範囲は制限されて神経根症状も誘発されることでしょう。また、胸郭を可動させることで、頸部にもストレスが加わることがあります。

これは、通常では何も感じない刺激でも、一度神経症状が出てしまうと、過敏な状態になってしまうためだと考えられます。

鑑別診断

頸椎神経根症状との鑑別で必要となるのは、上肢の末梢神経絞扼障害です。

胸郭出口症候群(Thoracic Outlet syndrome:TOS)・腋窩四辺形間隙症候群(Quadrilateral Space Syndrome:QLS / QSS)・円回内筋症候群・手根管症候群との鑑別が必要となります。

その他、筋の間を貫通している神経の問題も考えられます。
これには、烏口腕筋での筋皮神経絞扼、上腕三頭筋や回外筋での橈骨神経絞扼などがあります。

肩関節に対して問診を受ける女性

鑑別

  • 胸郭出口症候群
  • 腋窩四辺形間隙症候群
  • 円回内筋症候群
  • 手根管症候群
  • 烏口腕筋での筋皮神経絞扼
  • 上腕三頭筋での橈骨神経絞扼
  • 回外筋での橈骨神経絞扼

病歴や既往歴などの問診から推測を立てて、スクリーニングとしてこれらの疾患も評価した方が良い場合があります。
筋の押圧による症状の再現やTinel兆候の陽性、各種テストが陽性の場合、上記の症状も疑われます。

この時に注意したいのが、『頸椎神経根症状+上肢の末梢神経絞扼障害:”Dobule Crush Syndome”』の状態です。

最初は頸椎神経根症状だけであったのが、神経根症状により末梢神経の感作・周囲筋の過緊張に伴い神経症状が増悪していることもあります。

そのため、末梢神経の絞扼障害が疑われる際は、頸部の問題を取りこぼさないよう確実に評価をするべきだと考えます。

こちらの記事では、頸椎神経根症状に対する評価方法をまとめていますので、併せてご参照ください。

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参考文献

  1. Eubanks J. Cervical Radiculopathy: Nonoperative Management of Neck Pain and Radicular Symptoms. Am Fam Physician. 2010 Jan 1;81(1):33-40.
  2. Barrett I. et al. Cervical Radiculopathy Epidemiology, Etiology, Diagnosis, and Treatment. Journal of Spinal Disorders &Techniques. April 2015; 28:5.
  3. Kuijper B. et al. Degenerative cervical radiculopathy: diagnosis and conservative treatment: A review. European journal of neurology. 2009; 16(1): 15-20

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