半月板損傷に対する評価・3つのスペシャルテスト

評価方法
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半月板損傷

半月板は、膝関節の中にある三日月の形状をした線維軟骨組織です。

膝関節においては、衝撃吸収に大きな役割を果たします。

膝関節半月板のイラスト

半月板損傷はスポーツや日常生活で膝に強い衝撃が加わったり、繰り返しの負担や加齢が原因で、半月板が断裂することで生じます。

半月板損傷の最も一般的なメカニズムは、足を地面に固定した状態で捻じれるストレスが加わることによる損傷です。

このことを踏まえて今回は、半月板損傷の疑いがある時に行うべきスペシャルテストを3つご紹介していきます。

半月板損傷を疑う時の評価

まず、半月板損傷の疑いがある時に行う評価としては、問診により受傷時のことを聴取し、荷重時での再現痛や歩行時痛の有無を確認しましょう。

ラグビーのタックルを膝に受ける場面

次に、膝関節の屈曲・伸展動作において、膝関節のキャッチングやロッキング、スナッピングの有無も評価しましょう。

膝を他動的に伸展される女性

特に問題がなければ、膝関節の深屈曲動作での痛みを確認したり、痛みがある場合は下腿内旋あるいは下腿外旋により疼痛が軽減するのかを確認してみましょう。

しゃがみこむ女性

その他に画像所見等も併せて確認すると良いでしょう。
医師に相談できる環境でなければ、整形外科への受診を促す方が良いでしょう。

ここまでの段階でも、損傷の可能性の有無がある程度把握できるかもしれませんが、この先のスペシャルテストも行なっていただくとさらに良いでしょう。

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半月板損傷に対するスペシャルテスト

半月板に対する評価・スペシャルテスト・整形外科的テストでよく知られているのは、マックマレーテスト(McMurray’s Test)やアプレーテスト(Apley’s Test)だと思います。

最近では、セサリーテスト(Thessaly Test)という評価があり、感度・特異度が高く、直接触れずに評価できるという観点から有用だと考えられます。

Test Sensitivity Specificity LR+ LR-
Thessaly 75 87 5.6 0.28
JLT 83 83 4.0 0.23
McMurray 61 84 3.2 0.52

Thessaly TestはLR+が5.6と高いので、疼痛の再現があれば半月板損傷の可能性が高くなります。

次に、JLT(Joint Line Tenderness)でも、LR+は3以上あるため、疼痛があれば半月板損傷の可能性が高くなります。

評価する時間の関係次第ではこの2つだけでも十分かもしれませんが、余裕があればMcMurray Testも確認してみましょう。

ただし、McMurray Testに関しては、臨床経験の多さによって評価の結果に影響を与える可能性があるというデータもあれば、経験による評価・診断の正確性にはほとんど影響を与えないというデータもあります。
これらのことを考慮すると、評価の結果だけを鵜呑みにしないよう気を付けていきましょう。

Thessaly Test

最初に、荷重位で行えるThessaly Testを行いましょう。

このテストは、患者さんご自身で行なってもらいますので、セラピスト側がストレスを加える必要もないため、リスクが最も低いと考えられます。

テスト方法

  1. 立位で膝関節20度屈曲します
  2. 患者の両上肢はセラピストの肩、あるいは壁などを支えにしてもらいます
  3. 片脚立位になります
  4. 骨盤帯から左右へ回旋してもらいます
  5. 膝関節の内側・外側に違和感・疼痛がみられる場合に陽性となります

動作中に、膝関節の引っかかり感(キャッチング)やロッキングを感じる場合でも陽性となります。

このテストは、膝関節屈曲5度でも行われますが、屈曲20度で行われる方が感度・特異度が高いです。
患者さんの負担を軽減するためにも、今回は後者のみをご紹介しています。

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JLT(Joint Line Tenderness)

次に行うのは、JLT(Joint Line Tenderness):膝関節裂隙の圧痛の確認です。

膝関節には、内側半月板と外側半月板の2つが存在するため、内側・外側それぞれ行うテストとなります。

テスト方法

  1. 背臥位にて膝関節90度屈曲させます
  2. 膝関節裂隙を触診します
  3. 内側の圧痛を確認します
  4. 続いて、外側の圧痛を確認します
  5. 疼痛がみられる場合には陽性となります

外側半月板損傷の方が、内側半月板損傷よりも正確に評価・診断され、精度が高いという結果があります。

関節の圧痛とともに起こりうる症状には、関節の硬さ、関節周囲の腫脹・発赤・熱感、関節の痛み、関節の変形などがあります。
そのため、このテストが陽性だからと言って、”半月板損傷である”と決めないようにしましょう。

また、関節裂隙の触診は必ずできるようにしておくことが最低条件となります!

McMurray Test

最後に、McMurray Testを行いましょう。

McMurray Testでは、下腿内旋・外旋のストレスだけでなく、内反・外反ストレスと脛骨軸上に圧力を加えることで診断の制度が高くなりますので、それを踏まえてご紹介していきます。

テスト方法

  1. 背臥位にて膝関節は最大屈曲させます
  2. セラピストは関節裂隙を触診します
    母指と示指で内外側を触診します
  3. もう一方の手で足底を把持します
  4. 膝関節内反+下腿外旋のストレスを加えながら膝関節を伸展させます
  5. 膝関節最大屈曲位に戻します
  6. 膝関節外反+下腿内旋のストレスを加えながら膝関節を伸展させます
  7. 疼痛や、スナッピング・ロッキング、クリック音が生じる場合に陽性となります

このテストでは、半月板の後角から中央部分にかけてを評価することができます。
半月板の前角は評価することができないため、注意が必要です。

  • 内反+外旋ストレス:内側半月板
  • 外反+内旋ストレス:外側半月板

ストレスを加える方向により、内側と外側の鑑別をしていきます。

膝関節伸展と脛骨軸圧を加えることで、さらに圧縮力を加えていくことも忘れずに行いましょう。

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まとめ

多くの研究では、半月板裂傷の診断において、McMurray Testの方がJLTよりも感度が低いことが示されています。

その他の研究では、McMurray TestよりもThessaly Testの方が、陽性尤度比が高く、陰性尤度比が低いことも示されています。

これに関しては、McMurray Testの複雑さが影響していると考えられます。
ストレスを加える方向や大きさ、軸圧の量をコントロールすることは難しく、誰もが同じように再現できるかは疑問視されます。

また、Thessaly Testは荷重をかけて片脚でおこなため、テストの開始肢位をとる時点で疼痛が生じてしまいテストが行えないということもあります。

半月板損傷を診断するためのスペシャルテストの精度は依然として低いため、今回紹介させていただいたスペシャルテストだけではなく、多角的に評価していく必要があります。

こちらの記事では、そもそも『半月板の問題かも?』と疑うまでに行うべき評価をまとめていますので、ぜひご参照ください!

参考文献

  1. Special tests for assessing meniscal tears within the knee: a systematic review and meta-analysis:Benjamin E Smith, Damian Thacker, Ali Crewesmith, Michelle Hall, Evid Based Med, 2015
  2. Validity of the McMurray’s Test and Modified Versions of the Test: A Systematic Literature Review:Wayne Hing,Duncan Reid, J Man Manip Ther. 2009; 17(1): 22–35.
  3. A new weight-bearing meniscal test and a comparison with McMurray’s test and joint line tenderness:Devrim Akseki, Ozal Ozcan, Hakan Boya, Halit Pinar, Arthroscopy, 2004

コメント

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