腰椎の評価・介入を行う前に、胸郭・股関節に注目するべき理由

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腰痛に対する考え方

今回は、腰痛を抱えている方に対する評価および介入方法に関して検討していきます。

腰痛を抱えている方は非常に多く、現在は在宅勤務・リモートワークの影響もあり、腰痛を引き起こす方々はより増えているように感じます。

腰痛を引き起こす要因は様々ですが、今回は筋骨格系の問題から考えていきます。

特に、腰椎の上下に存在する『胸郭』と『股関節』の関係を踏まえて考えていきます。

腰部の特徴

腰椎は屈曲・伸展の可動域は約50~60度可能ですが、回旋は約5〜10度しか行えないという特徴があります。

関節面の影響により、回旋では腰椎椎間関節での滑りの動きが少ないため、このような特徴があると考えられます。

5つの腰椎のイラスト

腰部の筋肉は、腰部脊柱起立筋(腸肋筋・最長筋・棘筋)や腰方形筋、仙棘筋、多裂筋などが存在し、腰部の屈曲・回旋に抵抗する作用があります。

腰の筋肉のイラストになります。僧帽筋や広背筋といった背中の筋肉や大殿筋というお尻の筋肉が腰には関与します。また脊柱起立筋により腰は覆われています。

反対に、腹部には腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋が存在し、伸展・回旋に抵抗する作用があります。

腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋

ここでは、『筋肉が主導で動きを引き起こす』というよりも、『筋肉の作用によって動きに逆らう』という考え方をしていきます。

例えば、腰部屈曲動作を行う時、腹筋群の求心性収縮よりも腰部筋群の遠心性収縮によって制御されています。
遠心性収縮の方が筋へかかる負担は増加するため、繰り返される屈曲動作は腰部の筋緊張を増加させ、やがて腰痛を引き起こす可能性があります。

※ただし、屈曲してはいけないという訳ではありませんので注意が必要です。

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胸郭の特徴

胸郭は、屈曲・伸展・回旋・側屈と3次元的に大きく動く部分になります。

腰椎の回旋可動性は5〜10度と少ないのに対し、胸郭の回旋可動性は約50度と大きい特徴があります。

胸郭は、胸椎・肋骨・胸骨が含まれるため、動きの制限箇所の特定は困難であることが多いです。

胸郭のイラスト、胸椎や肋骨を含めたものです

胸椎は12個の椎体が存在し、それぞれに対して肋骨が存在しています。
そのため、可動性の評価は、胸椎や肋骨それぞれの部位に対して行う必要性があります。

臨床での介入時間は限られているため、左右・上下の4区画に区分して行うことがオススメです。

より詳しい内容に関しては、下記の記事に記載していますので是非ご参照ください。

その他、外腹斜筋・内腹斜筋などの腹筋群や、大胸筋・小胸筋などの前胸部、僧帽筋・菱形筋などの肩甲帯周囲筋の影響があります。

これらの筋肉は、姿勢だけではなく呼吸パターン、身体の中でも大きな質量のため重心の変位に大きく影響を及ぼします。

座っていれば骨盤と胸郭の関係、立っていれば下肢と骨盤・胸郭の関係に影響してくるでしょう。

股関節の特徴

股関節は、大腿骨頭と寛骨臼により形成される球関節であるため、屈曲・伸展・内外転・内外旋と広範囲に動かせることができます。

寛骨臼は大腿骨頭の4/5を被覆することで、股関節を安定させています。

股関節:大腿骨頭と寛骨臼のイラスト

股関節は荷重関節であるため、日常的に繰り返される歩行においては、体重の約3倍程度の力が加わるとも言われています。
そのため、周囲は靭帯・関節包・筋肉によって覆われており、安定性を保ったまま大きな可動範囲を維持しています。

股関節周囲の二関節筋は、ほとんどが大腿骨頭を前方に引き出すように作用するため、股関節周囲の筋が硬くなっている場合は、前方でのインピンジメントを引き起こしやすいです。
そのため、単関節筋が非常に重要な役割を果たしています。

個人的に着目している筋は、恥骨筋・中殿筋後部線維・小殿筋・腸骨筋です。
寛骨臼に対する大腿骨頭の角度に対して、より平行な筋肉が股関節の安定化に大きく寄与すると考えられます。

中殿筋と小殿筋

特に、恥骨筋はこの角度にほぼ平行であるため、股関節の不安定性がある場合では過緊張状態に陥る可能性があります。

股関節内転筋群のイラスト

これまでの、腰椎・胸郭・股関節の特徴を踏まえて、動作ごとの腰痛を考えていきます。

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屈曲時の腰痛

屈曲時の腰痛は、主に股関節の屈曲が適切に機能していることが重要だと考えられます。

腰椎の特徴の部分でも解説した通り、屈曲動作は腰部の筋緊張を増加させるため、過剰な屈曲は避けた方が良いと考えられます。

立位での前屈

腰部屈曲の代わりに股関節を屈曲させることで、動作を遂行する必要があります。

股関節屈曲時の前方インピンジメントが生じてしまう方は、股関節屈曲制限により腰部の屈曲を強いられます。
股関節周囲筋の二関節筋の緊張・短縮により股関節インピンジメントを引き起こす可能性が高いため、股関節屈曲の可動範囲は十分に必要ですが、それ以外にも伸展・回旋の可動範囲も評価する必要性があります。

つまり、『股関節の可動範囲全域が関与している』ということになります。

※もちろん、腰椎の屈曲可動範囲も必要となるため、腰椎椎間関節の分節ごとの動きは評価する必要はあります。
※しかし、腰椎の問題を解決して疼痛は軽減・改善するかもしれませんが、予防という観点からは今ひとつだと考えます。

伸展時の腰痛

伸展時の腰痛は、胸郭・股関節の伸展が適切に機能していることが重要だと考えます。

腰椎の過剰な伸展は、腰椎椎間関節面にかかる負担が増加していきます。
そのため、まずは脊柱の関連として胸郭での伸展可動性が必要となります。

立位での後屈

Sway backやFlat backの場合、胸郭での可動性が制限されているケースが多いため、伸展動作の質的評価が重要となります。

そして、もう一つ大切なのが股関節の伸展可動性になります。

大腿前面の筋の緊張・短縮によって、骨盤の前傾が過剰になりすぎてしまい、下位腰椎の伸展が増強してしまうことがあります。
その回避動作・代償動作としては、膝を曲げたり、手を骨盤に当ててサポートするということが挙げられます。

評価方法としては、四つ這いでダイアゴナルの動作や、Hip Lift(ヒップリフト)などの股関節伸展動作時に、腰椎をコントロールできているのかを評価していくと良いでしょう。

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回旋時の腰痛

回旋時の腰痛でも、胸郭・股関節の回旋が適切に機能していることが重要だと考えられます。

腰痛を抱えている方の動作・疼痛の評価・介入では、屈曲・伸展よりも、回旋動作における左右差に対して着目すると、介入の結果が良かったりする可能性があります。
それは、左右差を解決することで、左右対象の動きを円滑に行えるようになることが考えられます。

ゴルフのスイング

腰椎の回旋可動性は約5〜10であることに対し、胸郭での回旋可動性は約50度であります。
もともと腰椎が回旋できる構造ではないため、回旋時に腰痛が生じる方には胸郭の評価を行うことをオススメします。

また、股関節の内外旋の可動性も非常に重要となります。

例えば、右回旋の動作を行うためには、骨盤は右回旋するので相対的に右股関節は内旋・左股関節は外旋の動きをします。
股関節での回旋が行えなければ、腰椎で代償するということは容易に考えられます。

胸郭に関しては座位や側臥位での回旋評価、股関節では腹臥位での回旋評価を行うと良いのではないかと考えます。

まとめ

腰痛における胸郭と股関節の可動性の重要性を解説しました。

今回は、可動性の制限に着目しましたが、他動的に動かせる範囲はあるのにも関わらず、立位では腰椎がコントロールできずに疼痛を引き起こしてしまう場合もあります。

重力下では疼痛なく動作を行えても、重力下になった途端に自身の身体をコントロールして動かすことができないこともあります。

この場合は、支持基底面や重心位置を下げて動作の難易度を設定し、徐々に立位の動きもコントロールできるように運動学習していくと良いかと思います。

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