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肩関節疾患の方に対してどのテストを選択するべきか?
今回は、肩関節の整形外科疾患に対して行われる、整形外科的テスト・スペシャルテストはどれが良いのかをご紹介します。
肩関節のテストは数多く存在しており、中には信頼性の乏しいテストもあります。
同業者内および他職種との連携の効率化をはかるためには、数多くあるテストから信頼性のあるいくつかのテストをピックアップし、その情報を共有する必要性があると考えられます。
2017年の論文になりますが、腱板損傷やインピンジメント・関節唇損傷の臨床診断に適するテストを集めたものがありますので、それをまとめていきます!
参考文献は下記になりますので、お時間のある方はぜひご覧ください!
肩関節疾患に関する整形外科的テストのシステマティックレビュー
イントロダクション
肩関節の整形外科的テストは、痛みのある肩を診断するための臨床家の助けとして特定の症状および徴候を再現することを目的としています。
以前のメタアナリシスでは、臨床で使用する検査を臨床家に指示する強力な証拠がまだなく、それらが有用かを評価する必要があります。
このシステマティックレビューでは、臨床家がどのテストを選択するかを助けるため、どれだけ多くの肩関節の整形外科的テストが全体的な確率をシフトさせ、単一のテストの性能をランク付けし評価することを目的としています。
方法
データベースより7616件のアブストラクトを調査し、そのうち202件の全文が精査されました。
さらに、そのうちの11件のメタアナリシスを含むデータの、20件の記事に絞られています。
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SLAP損傷(Supreior Labrum Anterior and Posterior Lesion)
レビューの結果からわかることは、特異度やテストの正確性、DORが最も高いテストがCompression-Rotation Testでした。
陽性尤度比(LR+)は3.91を示しているため、このテストが陽性である時にはSLAP損傷を疑っても良いという指標になり得ます。
つまり、SLAP損傷に関してはRule-inするには良いということになります。
それ以外は、特に目を見張るような結果ではありません。
有名なYergason Testや、Crank TestなどはLR+が3未満であるため、SLAP損傷を疑うことに関して言えば、そこまで良いテストとは言えないでしょう。
感度が高く、陰性尤度比(LR-)が0に近い結果となるテストはないため、Rule-outするのも難しいと感じます。
(Yergason Testなどでは、上腕二頭筋腱を引っ張ることを組み合わせて、肩甲骨関節窩を圧迫することで上方関節唇を操作しています。)
肩峰下インピンジメント(Subacromial Impingement:SIS)
この2つのテストにより、誘発された痛みに対する生体力学的説明の証拠にはかけています。
つまり、この結果からは、Hawkins-Kennedy TestとNeer Test単独では、陽性だからと言って肩峰下インピンジメントを疑うことはナンセンスということになります。
そのため、複数のテストを組み合わせて評価していくと良いかと思います。
こちらの記事で、肩峰下インピンジメントを評価するテストの組み合わせを参考にすると良いかと思います。
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腱板損傷(Rotator Cuff Tear:RCT)
Any full thickness RCTには、Suprasupinatus Test (SSP Test = Empty Can Test)が含まれており、DOR=9.24と高値を示しています。
LR+は3.22であり、RCTを疑う評価としては良いのではないかということになります。
しかし、これだけの評価では物足りないと感じてしまいますので、他のテストも組み合わせると良いのではないかと考えられます。
こちらの記事で、腱板損傷を疑う時に行う他のテストも含めて考慮していただけると良いかと思います。
全体的な考察
理想的な整形外科的テストは、問題の状態の有無に関わらず被験者を各病態へと区別する能力を有するべきであると考えられます。
これには、高い感度と特異度が求められます。
臨床的に決定的な変化を生み出すためには、LR+が10以上、LR-が0.1以下の値が必要となります。
適度な考え方のシフトに関しては、LR+が5~10、LR-が0.1~0.2の結果が好ましいでしょう。
つまり、今回の肩関節の整形外科的テストに関して言えば、今後より精査されるべき内容であることには間違いないでしょう。
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まとめ
Compression Rotation Testは、SLAP損傷を疑うには有用なテストであるかと思います。
しかし、単独のテストにおける評価だけでは、臨床的診断をするには不十分であると言えます。
そのため、多様な検査結果を複合的に考慮する必要があります。
こちらの記事で、どのテストをどのように組み合わせたら良いのかを参考にしていただけると良いでしょう。
コメント
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