出産後の腰痛・骨盤痛に対するストレッチやトレーニングの方法

一般の方向け記事

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出産後は骨盤がゆがむ?ずれる?

『骨盤がゆがんでいます』や『出産後は骨盤がずれる』といったような言葉を聞いたことがある方はいるのではないでしょうか。

まず、”本当に骨盤は歪んだりズレるのか?”ということですが…

骨盤帯の骨模型

実際に、歪んだりズレることはありません。
もし、これが起こってしまったら、それは”大事故”です! この記事を読む機会などなく、病院に即搬送されてしまうでしょう。

では、なぜ骨盤が歪む・ズレるなど一般的に言われているのかといいますと、おそらく営業トークのようなことが発端で、使いやすいからではないでしょうか。
接骨院や整骨院の入り口では頻繁にこのような看板を目にしますが、この言葉を利用して営業しているだけなので気にされない方が良いでしょう。

骨盤帯の評価をする男性セラピスト

つまり、このような言葉を使っているような専門家・セラピストがいたら、⚠️要注意です。

この記事を読まれている”あなた”を治そうとはせず、”骨盤”を治しにかかります。

骨盤はどんな構造?

骨盤には関節があります。
仙腸せんちょう関節と言われていますが、この関節形状は個人差があり2〜3度しか動きません。

仙腸関節・骨盤帯のイラスト

つまり、そこまで動かないものです。
「たくさん動かせますよ!」と言われる方は、実際に動いている部分は”股関節”です。股関節は非常に大きく動き、からだの中で重要な部分です。

股関節・膝関節・足関節を含む下肢全体のイラスト

骨盤周りは強靭な靭帯に覆われていますので、動き過ぎれば靭帯を痛めてしまいます。
これはもう激痛です。ギックリ腰の時は、もしかしたらこの状態かもしれません。

出産により靭帯は少し緩んでしまうかもしれませんが、周りの筋肉を使うことでそれを補うことは可能です。

特に、お尻の筋肉とお腹の筋肉を使っていくことが大切ですね! 姿勢も大きく影響してきますので、それは詳しく解説していきます。

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良い姿勢と悪い姿勢

皆様の骨格は人それぞれです。そのため、最適な姿勢も人それぞれです。

骨盤の部分でいうと、”前傾”と”後傾”があります。

骨盤が前傾して腰が反ってしまうイラスト

前傾はお尻がプリッと突き出た、反り腰傾向の姿勢です。反対に、後傾は背中が丸くなった猫背の姿勢です。
これは過剰な場合、どちらも”悪い”方に分類されます。

しかし、先ほどいったように、最適な姿勢も人それぞれです。後傾した姿勢を無理やり前傾にしてしまうと、からだに過剰な負担がかかります。

では、どうしたら良いか?ということですが、『その姿勢から少し抜け出す、一定の位置に留まらないように、他の方向にも動けること』が大切です。

ストレッチやトレーニングをすることで、現状から抜け出す術をからだを使って覚えていきましょう!

背骨のストレッチ

まずは、背骨を動かしていきましょう。

動かしていくのは上半身、特に肩周りになります。

この部分が動くことで、腹筋に力が入りやすいからだの状態になっていきます!

  • 右肩を上に横向きに寝て、股関節を90度曲げます
    右肩を上に横向きに寝て、股関節を90度曲げます。
  • 右手を頭の方へ向かって動かし、そのまま斜め横方向へ開いていきます
    右手を前からバンザイをするように動かします
  • 右肩を開き、上半身を捻ります。目標として、右の肩甲骨が床・ベッドに着くように動かしましょう
    右肩を開き、上半身を捻ります。
捻るストレッチ

右肩を上にした横向きの状態です

  1. 股関節を90度曲げて左手で上から抑えます
  2. 右手を目線の高さから頭上へ向かって動かします
  3. そのまま斜め45度付近まで開いていきます
    右の肩甲骨が床あるいはベッドにつくよう、上半身を捻ります
  4. 呼吸は止めないように注意し、各10回を2セットずつ行いましょう。

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腹筋とお尻のトレーニング

次に、下腹部とお尻の筋肉を使っていきましょう!

ポイントは、腰がベッド・床から浮かせずペタッと接していることです。
からだはリラックスしながら行いましょう!

  • 仰向けに寝て膝を曲げます
    仰向けに寝て膝を曲げます
  • 下腹部を引っ込めるようにしてお尻に力を入れます
    下腹部をお尻を意識します
  • 腰は反らないようにお尻をあげましょう
    腰を反らずにお尻をあげましょう
トレーニング方法

  1. 仰向けになって、膝を90度以上曲げます
  2. 下腹部を引き込むようにして、お腹を意識します
  3. 尾骨を天井に軽く持ち上げるようにして、お尻の筋肉に力が入ることを確認します
  4. 使う筋肉を意識したまま、息を吐きながらお尻を持ち上げましょう
  5. 10回を2セット、ゆっくりと行いましょう

※腰が反らないように注意しましょう。
※お尻を上げすぎないようにしましょう。

これのレベルアップver.として、片脚を抱えて行う方法があります。

  • 仰向けで寝て、両膝を曲げます
    仰向けで両膝を曲げます
  • 片方の膝を曲げて抱えましょう
    片脚を抱えましょう
  • もう一方の足で踏ん張って、お尻を持ち上げます
    お尻を持ち上げましょう
トレーニング方法

  1. 仰向けになって、膝を90度以上曲げます
  2. 片側の足を両手で抱えて、太ももの前側をお腹にくっつけます
  3. もう一方の着いている足で軽く踏ん張り、お尻を持ち上げます
  4. 膝が左右にブレないこと、腰を反らないことの2つに注意しましょう
  5. 各10回を2セットずつ行いましょう

※痛みのない範囲内で行いましょう
※足を両手で抱えてなくても大丈夫です。その代わりに腹筋を使う感覚が増えると思います!

膝立ちスクワット

最後にスクワットを膝立ちで行いましょう。

少し難しいですが、これができると前屈したりも簡単にできます。トレーニング中は、お腹の力を感じられると良いですよ!

赤ちゃんを抱える体制にも似ているので、ぜひチャレンジしてくださいね!

  • 膝立ち姿勢でのスクワットです
    お尻を斜め後ろへ引きましょう
  • お尻を後ろに引いて背骨はまっすぐを保ちます
    体幹はまっすぐを保ちます
  • 体幹を前傾させます
    腹筋に力が入っていることを確認しましょう
トレーニング方法

  1. 膝の間隔は肩幅程度にします
  2. お尻をがかかとに近づけるように後ろへ動かしましょう
  3. 骨盤から上半身を前に倒して、くの字の前傾姿勢をとります
  4. この時、膝に重心がかかっていることを確認しましょう
  5. お尻の筋肉を使いながら、元の位置に戻りましょう
  6. ゆっくり息を吐きながら、10回2セット行いましょう

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日常生活で気をつけた方が良い2つのポイント

最後に、普段の生活で気をつけた方が良いことが2つあります。

まず1つ目ですが、脚を組まないことです。
脚を組んでしまうと片側の骨盤が上に位置してしまい、お腹やお尻の筋肉に力が入りにくい状態になることや、骨盤の関節部分にもストレスがかかりやすくなるので注意しましょう。

2つ目に、左右どちらかに偏った姿勢をとらないことです。
『普段ご飯を食べるとき常に左を向いている』、『横座りを片側だけで行う癖がある』、『右手で頬杖をついてしまう』といったように、片側に頼っている状態はよくありません。

このように日常的にかかるわずかなストレスを減らしていくことで、からだ痛みや不調は改善方向へと向かっていくことが多いです。

もし気になることや質問等がありましたら、お問い合わせフォームより気軽にご相談ください。

コメント

  1. […] 出産後の腰痛・骨盤痛に対するストレッチやトレーニングの方法『骨盤がゆがんでいます』や『出産後は骨盤がずれる』ということを聞いたことがある方はいるのではないでしょうか。 […]