肩甲骨はがしの危険性:肩甲骨は剥がせるの?

肩甲骨はがしの危険性の記事トップ画像 一般の方向け記事
Pocket

スポンサードサーチ

肩甲骨はがし

「肩甲骨はがしは、一般的に広く使われている言葉です。

「骨盤矯正」を同じくらいインパクトのある言葉で使いやすいことから、一気に広まった様な印象を受けます。

私自身、この「肩甲骨はがし」を受けたことがないので実際に何をされているのか良くわかりませんが、どのような状態をもって『はがされる』としているのか甚だ疑問です。

上背部のマッサージ

肩甲骨の動きの柔軟性は大切であるため、身体にとっては必要な機能ですが、その表現として『はがす』を使用することはナンセンスであると考えます。

今回の記事では、簡単な肩甲骨の解剖学から、「本当に肩甲骨がはがれるのか?」を解説していきます。

肩甲骨の位置関係と動き

肩甲骨は背中に存在しており、鎖骨とだけ繋がっている状態で、ほとんど浮いている骨になります。

肩甲骨の模型

このような環境であるため、肩甲骨には非常に多くの筋肉が付着しており、動きを支えコントロールしています。

背面には背骨が存在しますが、肩甲骨の存在する領域は胸椎といわれています。胸椎からは肋骨が伸びて、胸の前側まで弧を描く様に弯曲しています。

肩関節・肋骨・胸骨の模型

肩甲骨は、この肋骨の表面を滑る様に動いています。

肩甲骨は、上下(挙上・下制)・左右(内転・外転)の動きから、回旋の動きや傾ける動きなど、3次元的に動きます。
※回旋:上方回旋・下方回旋・内旋・外旋
※傾ける動き:前傾・後傾

ここまで様々な方向に動く骨は、身体の他には存在しません。そのため、肩甲骨の動きは柔軟である必要があります。

肩甲骨周りの筋肉の伸び縮みが適切に行えるのか、肩甲骨周りの筋肉を押した時に痛みがある状態ではないか、などが確認事項となってきます。

少し筋肉の話をしますと、背面には僧帽筋や広背筋・菱形筋、前面には小胸筋・上腕二頭筋などが関係し動きをコントロールしており、両側の肩甲骨を寄せたり開いたりしています。その他、肩甲骨には肩関節のインナーマッスルである”腱板”を構成する筋肉や、首の骨(頸椎)まで走行している筋肉も付着しているため、影響する範囲は多岐に渡ります。

上記のことからも分かるように、動きの面や多くの筋肉が影響していることから、肩甲骨というのは非常に大切であるということです。

スポンサードサーチ

肩甲骨ははがせるのか?

結論から言いますと、肩甲骨を”はがす”ことはできません。

そもそも”はがす”という意味が、『表面を覆っているものをめくりとる・剥ぎとるという』ですので、これを実現しようとすることは身体を壊していることに繋がると考えられます。

また、”肩甲骨だけ”を剥がそうとしても、肩甲骨と関節を構成している鎖骨や上腕骨(腕の骨)も一緒についてきますので、「肩甲骨はがし完了しました!」なんて時には肩関節が脱臼している状態で腕は挙がらないでしょう。

きゅうりの皮むき写真剥がす(Peel off)= Peelingということで上記の写真です。

ではなぜ、『肩甲骨はがし』という施術があり、それを受けた方が楽になっているのかというと、肩甲骨周りに付着している筋肉の緊張が緩和し、一時的に肩甲骨を動かせる範囲が増しているからだということが考えられます。この時、おそらく肩や首は動かしやすくなっていることだと思います。

なので、施術そのものが身体に悪影響になるというより、肩甲骨を本当に”はがし”にいっていないことが考えられます。そうなると、虚偽の広告をしていることになりますね。

また、「肩甲骨に指が入りませんね」などと言われ、指が入らないことがあたかも”悪”みたいなことを言われる方もいますが、基本的には筋肉が存在しているので入り込まなくて当然です。入り込んでしまう場合の方が、筋肉がユルユルで機能していない可能性もあります。

整体の界隈ではこのような内容の事柄が非常に多く存在していますので、受け手の皆様が正しく情報収集した上で施術を受けるか選択していただける様になっていただきたいと思います。

肩甲骨の動きが硬いって本当?

私の個人的な意見としましては、本当に肩甲骨の動きが硬いという方は非常に少ない様に感じます。

その理由としては、肩甲骨はほとんど浮いている骨であるため、制限となる要素がありません。脱力している状態では柔軟に肩甲骨を動かせる方の方が多いです。

窓辺で両手を後ろに回すヨガのポーズをとる女性

しかし、ご自身で力を入れて動かそうとする場合は、別の話になってきます。

肩甲骨周りの筋肉の力の入れ方であったり、肩甲骨周りの筋肉の筋力バランス、筋肉の伸張バランスなどが関係し、その結果動かしにくさに繋がります。

これは『肩甲骨の動きが硬い』というよりも、『動かすためのコントロール機能』に問題があるということになります。

この様な場合、肩甲骨周りの筋肉のストレッチやトレーニング、肩甲骨と肋骨・胸椎を連動させることや、肩関節・首も一緒に練習していく必要があります。

上記のことでご相談やご質問等がある場合は、お問い合わせフォーム匿名でできる質問箱などをご利用ください。

コメント