アキレス腱の痛みの原因とセルフケア方法

アキレス腱の痛みの原因とセルフケア方法 セルフケア

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アキレス腱

アキレス腱は、人体の中で最も強い腱です。

腱は、筋肉と骨を繋ぐ部分です。つまり、アキレス腱は『腓腹筋』と『ヒラメ筋』のふくらはぎの筋肉から、踵の骨を繋いている部分を指します。

腓腹筋とアキレス腱

この辺りは血管の数が少ないことから、血液供給が不十分な領域でもあり、一度問題が引き起こされると長期化してしまいやすい部分でもあります。(修復するために必要な栄養素の供給が乏しいためです)

また、アキレス腱の中でも傷めてしまう部分や痛みの出方は違います。踵の骨の近くの部分であったり、アキレス腱の真ん中部分であったり、歩いても痛い場合や走ったときだけ痛い場合など、病態はさまざまです。

ふくらはぎを触る女性

本来、腱は大きな負荷・引っ張られる力に対して抵抗できる耐久性に優れた組織です。この腱の部分に痛みが生じているということは、それ相応の負荷が足首周りにかかっていることになります。

痛みの原因

痛みを引き起こしてしまう大きな原因の1つとしては、足の過剰な回内が考えられます。

足の回内とは、”土踏まずが潰れる”ような内側への荷重のことを指します。

足関節回外・回内の動きのイラスト

立っているとき、歩くとき、走るときなどで内側への荷重が過剰になりすぎてしまうと、腓腹筋やヒラメ筋の張力が不均一になってしまうことや、アキレス腱に対して局所的なストレスが加わってしまうため、反復的な微細損傷を引き起こしてしまう可能性があります。

子供の扁平足

このような動き方の癖があると、足に加わるストレスは日々繰り返されてしまうため、回復するための時間がほとんどありません。さらに、血流が乏しい部分でもあるため、それも起因している可能性があります。そのため、徐々に状態は悪化してしまい、ちょっとした負荷でも断裂を引き起こしてしまう要因となります。

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足の過剰な回内

足の過剰な回内を引き起こしてしまう原因は複数考えられます。

1つ目は、足裏の筋肉を使っていないことです。
足裏の筋肉は、土踏まずやその他の足のアーチを支える機能を有しています。その筋肉を使っていないため、足のアーチ構造が破綻し過剰な回内を引き起こしてしまう可能性があります。

足部内側縦アーチのイラスト

2つ目は、足首の硬さです。
足首が硬いというのは、踵をつけたまましゃがめないということです。これは”足関節背屈”という動きになりますが、この動きが硬いことによって、それを補おうとして過剰な回内を引き起こす可能性があります。

しゃがみこむ女性

3つ目は、股関節や骨盤周りの問題です。
内股の方や、膝が内側に入りやすい方は、自然と足が回内してしまいやすいです。これは身体の構造的に動きが連鎖してしまうことの起因しています。上記2つの足の問題を改善していたとしても、股関節・骨盤周りの問題が改善されない場合は、アキレス腱の痛みは続いてしまうでしょう。

歩行時の骨盤前方回旋

以下では、これらの問題を改善するために、アキレス腱周囲のケアから上記3つの問題に対するエクササイズをご紹介していきます。

アキレス腱周囲のセルフケア

アキレス腱の周りには、アキレス腱の動きを良くするための組織が存在しています。

繰り返しストレスがかかっている場合、周囲組織が硬くなってしまい治りが遅くなってしまう可能性があります。以下の動画を参考に、アキレス腱の周りをマッサージしていきましょう。

マッサージが終わった後は、一般的なふくらはぎ・アキレス腱のストレッチを行いましょう。

アキレス腱のストレッチング

15〜30秒程度を3回繰り返しましょう。痛みがある場合は中止して、以下でご紹介しているエクササイズを行いましょう。

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足裏のエクササイズ

足裏のアーチ部分を支える筋肉を使っていきましょう。

ここでのポイントは指先を曲げず、足裏の真ん中くらいを持ちあげて曲げるように意識しましょう。

  • 足部
    足裏を地面につけます
  • 内側縦アーチを持ち上げた足
    足裏の真ん中を持ち上げます
  • 足趾を屈曲しすぎている例
    指先は曲げないように気をつけましょう
エクササイズ方法

  1. 膝を90度曲げた状態で座ります
  2. 膝とつま先の向きを真っ直ぐにします
  3. 土踏まずを持ち上げるよう足裏に力を入れます

※指先は曲がらないようにしましょう
※膝が内側や外側に動かないように注意しましょう

まずは、座ったまま行いましょう。うまくできるようになってきたら、両足で立って行うと良いでしょう!

足首のエクササイズ

足首を曲げていくエクササイズです。

ここでの注意点は、足が回内しないようにすることです。意識的に土踏まずを持ち上げるようにすると、やや外側荷重になるかと思いますので、それを保持したまま動かしていきましょう。

  • 足を台に乗せます
  • 膝を前に出して足首を曲げます
  • 2〜3秒保持して戻しましょう
エクササイズ方法

  1. 椅子か台の上に足をのせます
  2. 前に出した足と後ろで支えている足の間隔は、骨盤と同じ幅にしましょう
  3. 両手は膝の上に乗せてバランスを保持しましょう
  4. つま先と膝のお皿を真正面に向けたまま、膝を前に移動させます
  5. 可能な範囲まで足首を曲げましょう
  6. 10回を2セットずつ行いましょう

ここでも、足裏のエクササイズで行ったように、足の指先には力を入れず真ん中くらいを持ち上げるようにしていきましょう。

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片脚での股関節エクササイズ

あらゆる動きのなかで、足首の動きの割合が大きくなってしまうと、それだけ足首周囲の組織には負担がかかります。

股関節を動かすように練習することで、相対的に足首にかかる負担を減らせる可能性がありますので、ぜひ練習していただければと思います。

また、先程の足首のエクササイズと同様、土踏まずが潰れないように足の外側に体重をかけることが大切です。

トレーニング方法

  1. つま先を前に向けた片脚立ちになります
  2. 膝・股関節を同時に曲げて、重心を下げていきます
  3. 膝が前に出過ぎないように、お尻を後ろに引くようにします
  4. 上半身〜骨盤は、やや前傾の状態をとりましょう
  5. この時、背中はまっすぐの状態を保持しましょう
  6. 5〜10回繰り返し行いましょう

太ももの前・後ろやお尻の筋肉を使う感覚があれば上手に行えています。

また、このトレーニングを行う以前に、そもそも”片脚立ちが安定している”必要があります。

片脚で立った瞬間にふらつく場合は、まずは片脚立ちの練習をしていきましょう。
このトレーニングは、壁に手をついた状態で行なっていただけると安全です。最終的には、壁の支えを無くしてもトレーニングできることを目標にしていただけると良いでしょう。

注意するポイントが多いですが、繰り返し行うことで慣れていきますので、少しずつ行いましょう!

ふくらはぎのトレーニング

ここまで行ったけど症状が改善されない場合、ふくらはぎの筋力不足というのも考えられます。

ふくらはぎの筋力が低下している場合、筋肉で耐えられる負荷が少ないために腱に負担がかかってしまうことが考えられます。

そのため、単純にふくらはぎの筋力トレーニングも行うと良いかもしれません。

トレーニング方法

  1. 台の上につま先から足の真ん中までを乗せます
  2. 壁か手すりで身体を支えましょう
  3. かかとを持ちあげましょう
  4. ふくらはぎの筋肉を使う感覚を得ましょう
  5. ゆっくりとかかとを降ろしましょう
  6. ふくらはぎの筋肉が伸びる感覚を得ましょう
  7. ゆっくりと10回2−3セット行いましょう

体重をかける割合を、なるべく親指から小指まで均等になるよう、偏らないように注意して行いましょう。

上記のことでご相談やご質問等がある場合は、お問い合わせフォーム匿名でできる質問箱などをご利用ください。

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