大腿筋膜張筋を抑制するために必要な5つの筋肉の活動

大腿筋膜張筋を抑制する5つの筋:トップ画像 専門家向け記事
Pocket

スポンサードサーチ

大腿筋膜張筋とは

大腿筋膜張筋は、上前腸骨棘から腸脛靭帯にかけて走行しており、上殿神経(L4〜S1)に支配されています。
股関節屈曲・外転・内旋に作用し、腰部・骨盤帯・下肢において問題となりやすい代表的な筋になります。

大腿前面の筋群

大腿筋膜張筋が過剰に活動することでの弊害としては、大腿骨頭が前方へと引き出されてしまうことです。
これは、股関節の前方つまり感・インピンジメント症状を引き起こす可能性があります。また、付着部の関係から、弾発股や腸脛靭帯炎を引き起こす可能性もあります。

こちらの記事では、股関節の前方つまり感・インピンジメントの評価方法をまとめておりますので、ぜひご参照ください。

大腿筋膜張筋が問題となるケースは多いですが、なぜ大腿筋膜張筋が問題となってしまうのでしょうか…?

それは、腸脛靭帯に付着を有する二関節筋として扱われることが多く、動作の中で使用されてしまいやすい筋であるからです。これにより、股関節・膝関節の固有筋群が機能しなくなってしまうため、各関節周辺での症状が引き起こされると考えられます。

つまり、大腿筋膜張筋が活動することで動作の安定性を補完していることが考えられるため、大腿筋膜張筋そのものが悪い訳ではなく、”活動が過剰になりすぎている”ことや”他の筋機能が低下している”ことに問題があるということです。

”大腿筋膜張筋をストレッチングすれば良い”という話では済まない、ということがお分かりいただけたかと思います。

そこで今回の記事では、『大腿筋膜張筋以外にどの筋を使用するべきか』についてまとめていきます。

大腿筋膜張筋以外にどの筋肉を使用するべきか

では大腿筋膜張筋の活動を抑制するためには、どの筋を使用するべきでしょうか。

寛骨に付着する筋から考えていきたいと思います!

腹筋群

大腿筋膜張筋は上前腸骨棘に付着しているため、寛骨に付着する腹筋群などの影響を受けます。
腹筋群が活動することで寛骨は後傾しますので、大腿筋膜張筋は伸張位になり活動は抑制される位置関係になります。

ここで特に重要なのは、腹横筋・内腹斜筋です。

外腹斜筋や腹直筋はコンタクトスポーツなど強度の高い場面においての活動が重要ですが、普段の生活においては過剰な活動は必要ないでしょう。
その理由として、この2つの筋は体を固めることは得意な筋ですが、『呼吸をしながら柔軟に動けるか?』ということを考えた時は不適切になってしまうからです。

ハムストリング

腹筋群と同様、寛骨を後傾させるためにハムストリングの活動は大切です。

臨床的によく問題となりやすいハムストリングですが、寛骨が前傾している場合は伸張位になっており、適切な収縮機能を果たしていない可能性があります。

そのため、一見筋が短縮しているような評価結果が得られたとしても、実際は伸張位で高緊張状態にある可能性もありますので、無理なストレッチングは良い効果を得られない可能性が高いです。
一度収縮させるようなエクササイズを行い、それによる効果判定をしてみても良いのではないでしょうか。

ただし、ハムストリングは二関節筋になりますので、活動しすぎてしまうのは望ましくはないでしょう。以下の股関節周囲筋も同時に使用すると、より良い筋バランス・動作を行えると考えます。

大殿筋

よく言われるのは、腸脛靭帯に付着を有する大殿筋です。

大腿筋膜張筋は股関節屈曲・外転・内旋の作用を有するのに対し、大殿筋下部線維は股関節伸展・内転・外旋の作用を有しています。そのため、この2つの筋は全く逆の作用(拮抗)になります。

※大殿筋上部線維は、股関節伸展・外転・外旋の作用を有しています。

大殿筋下部線維が活動することで、相反抑制により大腿筋膜張筋の活動を抑制させることができます。

内転筋

大殿筋と同様に、全く逆の作用を有しているのが、大内転筋の後部(下部)線維です。

内転筋なので股関節屈曲・内転・内旋の作用をイメージしている方も多いかと思いますが、大内転筋の付着部が広いこともあり股関節伸展・内転・外旋の作用を有しています。

これも相反抑制を生じさせることで、大腿筋膜張筋の活動を抑制することに繋がります。

中殿筋

先ほどまでは逆の作用を有する筋でしたが、似たような作用を有する筋が活動していないと、動作においては大腿筋膜張筋が動員されやすくなってしまいます。

特に股関節外転・内旋の作用を有する筋として、中殿筋前部線維が重要になります。

中殿筋前部線維を適切に刺激するには、寛骨が前傾しないように腹横筋や内腹斜筋を活動させた上で、股関節内旋の動きを強調すると良いかと思います。

スポンサードサーチ

まとめ

大腿筋膜張筋以外に活動していてほしい筋は以下の5つになります。

筋まとめ

  • 腹横筋・内腹斜筋
  • ハムストリング
  • 大殿筋下部線維
  • 大内転筋後部線維
  • 中殿筋前部線維

いきなり全ての筋を同時に活動させるエクササイズは難しいと思いますので、2〜3つの筋を活性化させるようなエクササイズから徐々に段階を上げていくと良いでしょう。

エクササイズの最終ゴールは立位・片脚立位で行うことです。
非荷重位から始めて収縮感を得られるようになってきたところで、レベルを上げて荷重位するのも良いかと思います。

コメント

  1. […] 大腿筋膜張筋を抑制するために必要な5つの筋肉の活動大腿筋膜張筋が過緊張・短縮の状態にあると、身体にとって様々な問題が生じることになります。大腿筋膜張筋を抑制させるために […]