コアを部位毎で鍛える必要はないが、コア+○○という形で運動する必要性はある

コアトレーニングの考え方 コラム

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コアトレーニング

今回の記事では、コアトレーニング(体幹トレーニング)を行う上で考えるべきポイントを解説していきます。

一般的にコアトレーニングと聞くと“腹筋運動”を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、腹筋を鍛えることだけがコアトレーニングではありません。

上体起こしの腹筋トレーニング

そもそも“コア”は、腰椎-骨盤-股関節複合体(Lumbar-Pelvic-Hip Complex:LPHC)として定義されています。

腰部の筋では横突棘筋群・脊柱起立筋群・腰方形筋・広背筋、腹部の筋では腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋、股関節の筋では腸骨筋・中殿筋・大殿筋・ハムストリングと、これだけ多くの筋肉が含まれます。

「そもそもコアって何?」という疑問を持った方は、こちらの記事をご参照ください。

上記のことからも、コアトレーニングは単なる腹筋を使った運動ではないということが分かるかと思います。

キングオブエクササイズとも言われている“スクワット”は、腰部・腹部・股関節周囲の筋肉を動員することから、究極のコアトレーニングとして考えても良いかもしれません。

スクワットを行う女性の写真

ではなぜ、腹部・腰部・股関節をそれぞれ部位毎に分けてトレーニングする必要性はないのでしょうか。

部位を単独で鍛える必要はない

ボディビルディングとして競技を行うのであれば、それぞれの部位毎にトレーニングを行う必要はありますが、『身体の運動機能を高める』『競技力を高める』という点から考えると部位毎に分けて行う必要はかなり低いです。

手術後など何か特別な理由がある場合は、単独の部位をトレーニングする必要が出てきますが、それ以外の多くの場合(怪我も含む)は単独部位をトレーニングする必要はないと考えています。

この理由としては、『単独で鍛えても機能的動作・活動に影響が及ぶ可能性は低い』ということです。

例えば、上体起こしのような、腹部の筋肉だけを使うような運動を行ったとしましょう。この運動を行ったとしても、実際の日常生活や運動・競技の場面の多くは手や足を動かします。つまり、その腹筋運動がそのまま活かされるわけではなく、何かを行うための一部分でしかないということです。

公園で歩く男性

このようなことから、「腹筋だけの運動や背筋だけの運動を行ったからと言ってもね…。」というような考え方になります。
コアの部分が安定することで手や足を大きく動かせる、それが機能的動作・活動に繋がると考えると、コアトレーニングの意味合いが変わってくるのではないでしょうか。

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コア+○○という形での運動

コアトレーニングとしてLPHC周囲筋を使うことに加え、コア+○○という形での運動を行うことで難易度が高く全身を使った運動に変わっていきます。

『コア+胸郭』、『コア+上肢』、『コア+膝・足関節』というように、ある部位をワンポイントで加えていくということです。
例えば、“コアを安定させた上で”、胸郭を屈曲・伸展・回旋させてみる、上肢を挙上したり、押したり、引いたりしていきます。

wind mill(エクササイズ)

「それってもはやコアトレーニングなの?」と考えられるかもしれませんが、考え方によってはコアトレーニングでありコアトレーニングではないというような結論になります。

私の考えをまとめると、コアトレーニングの括りで何かのトレーニングを行うというよりは、ある部位のモビリティやスタビリティを引き出したい為にコアも同時に使う必要があるという考えです。
そのため、トレーニングのある側面を見ればコアのトレーニングになっているが、ある側面から見れば他部位のストレッチにもなっているという形になるかと思います。

もはやコアを使わないトレーニングはないですし、それを意識させないトレーニングは行う意味がないでしょう。

・コアを安定させて胸郭は分離して動かす
・コアの中でも腰椎・骨盤帯を安定させて股関節だけを動かす

この辺りはかなり重要視して行った方が良いでしょう。
これが出来ていないのにも関わらず、膝・足関節を含めた複合運動を行ってしまうと、ただ代償を上手く使いこなしていくだけの練習になりかねません。

このように考えていくと、抗重力位でのトレーニングの重要性がより明確に理解できるのではないでしょうか。
ぜひこちらの記事も併せてご参照ください。

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