横隔膜の解剖学的特徴と機能

解剖学
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横隔膜

横隔膜は、主に呼吸器としての役割を多く占めていますが、体幹の安定性(特に腰椎)や姿勢の保持にも関係しています

腹腔内圧を高めるためにも一役買っており、ヒトが生きている上で必要な呼吸と、身体を動かすために必要な安定性を両方担っている点で非常に重要な組織です。

横隔膜のイラスト

その中でも今回は、横隔膜の解剖学的特徴をまとめていきます。

横隔膜の構造

横隔膜はドーム型の筋腱構造で、下側は2-4mmと非常に薄く凹状になっており、胸部と腹部を隔てています。

横隔膜の起始

  • <胸骨部>
    剣状突起の背側部に由来し、2つの小さな筋束で構成される。
  • <肋骨部>
    腹横筋を介して、6つの下位肋骨の内面および上縁に由来する。
  • <腰部>
    内側・中間・外側の脚に由来する。
    心外膜と腎周囲路、関連する脂肪組織をつなぐ内側脚と外側脚が重要である。

横隔膜のイラスト

※横隔膜が重要な理由
・身体の様々な領域から発生する情報の交換ポイントである。
・内臓脂肪から固有受容感覚の情報を受ける。

つまり、横隔膜により、互いに離れている臓器や構造物に影響を与えているということです。

横隔膜は腰椎に付着しますが、そこまで伸びている細長い部分が脚と言われます。
脚は内側と外側に分かれており、それぞれ付着する部分や特徴に違いがありますので、それを以下でまとめていきます。

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横隔膜の内側脚

内側脚は、椎体に付着する前に内部の筋束や食道の開口部、食道と迷走神経が走行するTh11のレベルで左右に区別されます。

右側の内側脚は、外側脚より太くて長く、平らな腱になっており、L2-3の前面・時にはL4に停止します。
右側の内側脚の横には、L1とL2の間の腱である内側・中間脚の小さな通り道があります。

左の内側脚は、L2とL3の間の平坦な腱として停止します。
それらの腱は、Th12の前に腱性の弧状に形成され(正中弓状靭帯)、大動脈や胸管によって交差されます。

これらをまとめると、横隔膜の内側脚により、L2-3の安定性にも影響していることが考えらます。

横隔膜の外側脚

外側脚は、2つの頑丈な靭帯によって分割されます。

①L1椎体と横突起を繋ぐ、内側弓状靭帯(腸腰筋の上方)
②L1横突起と第12肋骨の頂点と繋ぐ、外側弓状靭帯(腰方形筋の上方)

内側・外側弓状靭帯は、後方の胸腰筋膜と前方の横筋筋膜の間を繋ぐ機能をもちます。
横隔膜中心内において、大動脈は右側の前方に位置する開口部を通過します。

これらをまとめると、主に胸腰椎移行部での痛み等に、横隔膜の機能不全も関与する可能性があるということになります。

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まとめ

横隔膜の基本的な解剖学的な知識をご紹介しました。

横隔膜のまとめ

  • 身体の様々な組織から集まる情報の交換ポイント
  • 固有受容感覚の情報を受ける
  • 胸腰椎移行部やL2/3の安定性に寄与する

参考文献

Anatomic Connection of the Diaphragm:Influence of Respiration on the Body System:Bruno Bordoni, Emiliano Zanier, Journal of Multidisciplinary Healthcare, 2013

コメント

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