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肩前面の痛み
今回は、肩の前面の構造と痛みの原因についてご紹介していきます。
肩の前面の痛みには、”筋肉や腱の痛み”・”腱周囲での痛み”・”肩関節周囲での炎症による痛み” などがあります。
腕を少し動かすだけ、腕を持ち上げると痛みが生じてしまい、日常的に気になることが多いかと思います。
その痛みの緩和方法も、最後にご案内しているので、目を通していただければ幸いです!
肩の前面の構造
肩の前面の構造は非常に複雑です。
表面は、三角筋や大胸筋といわれる大きい筋肉で覆われています。
上腕二頭筋(力こぶの筋肉)の腱も肩関節の前を通過していますが、この腱の向きが縦から横へ急激に変わるため、この部分では痛みが出やすい構造となります。
肩の前面を触れると、骨の突起(出っ張った部分)が分かるかと思います。
この部分を大結節といい、肩のインナーマッスルの腱がこの部分に付着します。
深層は、靭帯や関節の周りを覆う関節包という部分で覆われていて、肩関節を安定させるために寄与しています。
前面にある筋肉は、腕をあげるときに活動し、後ろに回すと伸ばされます(伸張)。
腕を上げた際に肩の前面に痛みが生じる場合、まず前面の筋肉の機能が悪くなっていることが考えられます。
三角筋や大胸筋の緊張が強くなると、腕の骨(上腕骨)が少しだけ前に引っ張られてきます。
そうなると、受け皿である肩甲骨側との関係性が悪くなるため、周りの腱や靭帯・関節包にかかる負担が増加します。
では、なぜ三角筋や大胸筋の緊張が強くなるのか?
というところが気になってくるかと思いますので、それを解説していきます!
なぜ肩前面の筋肉が問題となるのか?
スポーツやトレーニングをされている方は、使用頻度が多く過剰使用(使いすぎ)のためになることがあります。
何もしていない方は、おそらく普段の姿勢に影響されるかと思います。
猫背の姿勢になっている場合、肩甲骨は前に入り込んできてしまうため、大胸筋や三角筋は筋肉の長さが短く・緊張している状態が継続してしまいます。
下図の左側の姿勢では、肩が前に入り込んでいるのが分かります。
そのようになると、常に大胸筋や三角筋を使っていることと同じになり、筋肉は短縮(筋肉の長さが短くなる)することで、上腕骨は前に引っ張り出されてしまい、肩甲骨との適合が悪くなってしまいます。
肩甲骨に対し上腕骨が前方に位置している場合、脱臼しやすい位置関係になってしまうため、肩関節は非常に不安定な状態になるということです。
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腱周囲での痛み
肩前面での腱周囲の痛みは、上腕二頭筋の腱(長頭)か、インナーマッスル(腱板・ローテータカフ)の腱が考えられます。
急に重たいものを持ったときや、重たいものを頭上に持ち上げたりすると、上腕二頭筋腱が損傷してしまうこともあります。
その他に、身体の後ろにあるものを手だけで取りに行こうとしたときに、ローテータカフが損傷することがあります。
これは、先ほどもご紹介しましたが、上腕骨が前方に位置している状態は、肩関節にとって非常に不安定な状況であることが影響してきています。
その他に、転んで手をついた衝撃で損傷してしまったり、日々使っているうちに腱が磨耗してくる場合もあります。
これらが痛みの原因となっているのかについて、簡単なチェックをしていきましょう。
- 前方にある上腕骨の骨の突起を押すと痛みがある
- 腕を最後まで挙げることは可能だが、途中が痛い or 下ろす時の方が痛い
- 痛みがある側の手で、反対側の肩を触れる
これらに当てはまると、ローテータカフが損傷している可能性があります。
手のひらを天井に向けて腕を挙げると、普通に行うよりも痛い
この場合は、上腕二頭筋腱の損傷が疑われます。
これらはセルフチェックですので、実際に判断するには、より精密に検査を行う必要があります。
肩の炎症での痛み
肩の関節周囲で炎症が生じていると、肩の前面に痛みを感じることがあります。
肩峰下滑液包といわれる部分や、上記の腱の周囲で炎症が起きているとズキズキと痛みが生じます。
腕を下ろしていると痛くて辛い状態になると思いますので、その時の対処方法をご紹介します。
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腕を下ろしていると肩が痛いときの対処方法
腕を下ろしていると肩が痛い場合、肩甲骨と上腕骨の位置関係が不安定になってしまっていることが考えられます。
そこで、肩関節をなるべく安定させた位置に保持しておくことが、今後の痛みの治りを早くさせることに繋がりますので、お困りの方はお試しください!
- 肩が痛い方の肘を曲げます(90度程度)
- 痛くない方の手で肘を支えます
- 肘掛のある椅子であれば、そこに置くのも良いでしょう
このように、腕を支えて、関節周囲にかかる負担を取り除くことが重要になります。
痛みが軽減するような姿勢をとる方が良いですが、猫背にならないようなるべく胸を張る姿勢をとると予後が良いでしょう。
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