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肘関節のしくみ
今回の記事では、肘関節前面の痛みの原因と、それに対するマッサージやストレッチなどのセルフケア方法をご紹介していきます。
まずは、肘関節の仕組みからご紹介していきます。
肘関節は、”上腕骨”という肩から肘までの骨と、”橈骨”・”尺骨”という肘から手首まで骨、合計3つの骨によって構成されています。
肘関節としての動きは、曲げる(屈曲)、伸ばす(伸展)ことになります。
外側に捻る動き(前腕回外)、内側に捻る動き(前腕回内)は、肘から先の橈骨・尺骨の”前腕”によって行われております。
※この動きは肘関節とは別の動きです。
肘関節を曲げる主な筋肉は上腕二頭筋・上腕筋であり、その他には腕橈骨筋・円回内筋が補助的に使用されます。
付着部の関係から、上腕二頭筋は肘関節を曲げる+外側に捻る動きに作用します。
円回内筋は、肘関節を曲げる+内側に捻る動きに作用します。
肘を伸ばす筋肉は上腕三頭筋・肘筋になります。この筋肉は、肘関節を伸ばす+内側に捻る動きに作用します。
症状の特徴
肘関節の前面の痛みの特徴としては、肘関節を曲げる時の痛み、伸ばす時の痛み、肘から先を捻る動作時に痛みを生じます。
何か重たい物を持ったり、ドアを開けようとして捻ったり、からだや髪の毛を洗う時などの日常生活の場面で痛みを感じるかもしれません。スポーツをされている方であれば、特定の動作の時のみで痛みを感じるかもしれません。
- 肘を曲げる
- 肘を伸ばす
- 肘から先を捻る
- 荷物を持つ
- ドアを開ける
- からだや髪を洗う
- 特定のスポーツ動作
荷物の重さは重たい物ほど症状を生じてしまいやすいですが、症状の経過が長かったり症状の程度が強いほど、軽い物でも症状を感じてしまうかもしれません。
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痛みの原因
今回は、肘関節前面に関係する筋肉であるため、『上腕二頭筋・上腕筋・腕橈骨筋・円回内筋』これら肘を曲げる筋肉が主に関係してきます。
この4つの筋肉の中でも、“上腕二頭筋”が最も問題となりやすいです。
その理由としては、2つの関節を経由する(覆う)筋肉であることが関与しています。
上腕二頭筋は、肩甲骨から橈骨までに存在する筋肉であり、肘・前腕の動きの他にも肩関節・肩甲骨の動きにも貢献しています。そのため、肩関節・肩甲骨の問題から影響を受けてしまうことから、肘関節にも問題を引き起こしやすいです。
皆様が何か作業をする時は、多くの場面で肘から先を内側に捻った状態(前腕回内)の状態で行います。パソコン作業時、書き物をする時、料理をする時、などなど気づけば”手のひらを下に向けて”作業をしています。
この状態で固定していると、肘関節を曲げる筋肉はどんどん硬くなっていく傾向にあり、上腕二頭筋と併せて腕橈骨筋・円回内筋(前腕回内に作用)も硬くなりやすいです。2つの筋肉の近くには神経が通っているため、痛みだけではなく”痺れ”の症状を引き起こしてしまうかもしれません。
さらに、上記のような作業では猫背にもなりやすいです。上腕二頭筋は肩甲骨に付着していることから、胸・肩周りの姿勢の影響も受けてしまいます。
座る時の姿勢に関しては、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご参照ください。
このようなことから、肘関節を曲げる筋肉のマッサージやストレッチを行い痛みを緩和していきましょう。それだけで症状が改善されない場合は、姿勢の影響もあるため、肩甲骨や背骨のストレッチも行う必要があるかもしれません。
上腕二頭筋のマッサージ
最も問題とないやすい”上腕二頭筋”のセルフマッサージ方法をご紹介したします。
普通にマッサージするよりも効果的な方法を解説します。
- 肘を軽く曲げます
- 反対側の手掌で腕の前面を押さえます
- 圧を加えたまま、肘を伸ばしていきます
- 心地良く感じる程度の圧を加えましょう
- 動かすと同時にストレッチされていくのを感じましょう
- 押さえる部分を上下にズラしながら反復しましょう
※痛みのない範囲内で行いましょう。
※手掌ではなく、母指や他の4本の指で押さえていただいても大丈夫です。
押さえた部分のマッサージと、押さえた部分から肘にかけての部分のストレッチの効果が合わさっているため、非常に効果的なマッサージ方法です。
押さえる圧は、「少し痛いけど、気持ち良いor心地よい」と感じる程度が良いでしょう。
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腕橈骨筋のマッサージ
次に、肘の外側に存在する腕橈骨筋のセルフマッサージ方法です。
先ほどと同様に、肘を動かしながらマッサージを行なっていきましょう。
- 肘を軽く曲げます
- 反対側の手掌で腕の外側を押さえます
- 圧を加えたまま、肘を伸ばしていきます
- 心地良く感じる程度の圧を加えましょう
- 動かすと同時にストレッチされていくのを感じましょう
- 押さえる部分を上下にズラしながら反復しましょう
※痛みのない範囲内で行いましょう。
※手掌ではなく、母指や他の4本の指で押さえていただいても大丈夫です。
円回内筋のマッサージ
次に、肘の内側に存在する円回内筋のセルフマッサージ方法です。
先ほどと同様に、肘を動かしながらマッサージを行なっていきましょう。
- 肘を軽く曲げます
- 反対側の親指で腕の内側を押さえます
- 圧を加えたまま、肘を伸ばして手のひらを上に向けていきます
- 心地良く感じる程度の圧を加えましょう
- 動かすと同時にストレッチされていくのを感じましょう
- 押さえる部分を上下にズラしながら反復しましょう
※痛みのない範囲内で行いましょう。
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上腕二頭筋のストレッチ
マッサージで筋肉の緊張を緩和させた後は、筋肉を伸ばしていきましょう。
ストレッチでは、筋肉が伸びることで肘の動きが改善されると同時に、筋肉の働きを司る神経にも良い効果が得られます。そのため、マッサージだけで終わらずに、ストレッチもしっかりと行うことをオススメします。
- 親指と人差し指を壁に当てます
- 肘を伸ばします
- 上半身を腕とは反対側へ捻ります
- 腕の前がストレッチされるのを感じましょう
※痛みのない範囲内で行いましょう。
腕の前側だけではなく、胸・肩の前も伸びていく感覚があるかもしれません。
肩の側面や後面が痛くなってしまう場合は、このストレッチを行う前に肩の後ろ・背中のストレッチを行うことをオススメします。
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