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抗重力位でコアトレーニングを行うことは重要
今回は、コアトレーニングの考え方についてご紹介していきます。
立位でコアトレーニング?と思われる方もいるかと思いますが、プランクや四つ這いなどのトレーニングだけがコアトレーニングではありません。
あくまでコアを含めた全身的なトレーニングを行うことで、その人の動作を改善することが重要だと考えています。そのため、プランクのように、ただ“固める”だけのトレーニングは必要な場合が少ないという事です。(必要ないということではなく、必要な場面が非常に限られています)
それは、抗重力位で生活している中で非常に様々な動作を行なっていることからも、お分かりいただけると思います。
特定の場面(特に水泳などのスポーツ競技)において例外はありますので、そこはご注意いただければと思います。
立位で行うべきコアトレーニングの3肢位
立位では足の位置が大きく関係してきます。
まず2つに分けるとすると、両脚スタンスと片脚スタンスです。
両脚と片脚では支持基底面の大きさに差があり、片脚の方が姿勢安定性の要求度は高くなります。この肢位でいかに“コア”を安定させたうえで、上肢・下肢を動かすかが大切です。
スポーツにおける動作はもちろん、日常的には”歩く”という動作でも片脚の状態が存在しますので、その観点から考えても重要であることがわかります。
両脚スタンスはさらに2つに分けることができます。1つ目が両脚平行のスクワットスタンス、2つ目が両脚を前後に開いたスプリットスタンス(あるいはランジスタンス)です。
- スクワットスタンス
- スプリットスタンス
- シングルレッグスタンス
両脚スタンスにおいて安定した姿勢をとることが最低条件で、その上で下肢・骨盤帯、肩甲帯を含む胸郭・上肢をコントロールしながら動作の練習をしていくことが必要です。
両脚平行のスクワットスタンスは、立位姿勢の保持や床から物を持ち上げる動作、前屈みで行う動作などに大きく関与します。両脚を前後に開いたスプリットスタンスは、歩行においても見られる肢位で、スポーツ動作にも大きく関与します。
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“コア”を鍛える=腹筋群を鍛えるわけではない
コアを鍛えるためには、ただ上体起こしで腹筋を鍛えたり、うつ伏せで状態を持ち上げて背筋を鍛えるだけではなく、動作全体としてみた”コア”を鍛えていく必要があります。
では、なぜそうなのでしょうか。
それは、腹筋や背筋を個別に鍛えたからといって、動作において鍛えた結果が反映されるかは別問題だからです。
また、立位ではあらゆる脚のスタンスがありますので、個別に筋肉を鍛えるだけではただその筋肉が強くなるだけであって、動作として反映されるとは限りません。多くの場合では、立位の状態では特に何も変わらないことが推測できるかと思います。
3つのスタンス肢位のうち問題のある部分において、コアを安定させた状態での動作練習を行うことが重要だと考えます。
もちろん、腹筋や背筋を鍛えた上で、その後に動作も鍛えるのであればそれが最も良いのではないでしょうか。
まとめ
概念的な話になりましたが、うまく伝わりましたでしょうか。
個別の筋肉を鍛えても、そのヒトが日常あるいはスポーツ場面で活かすためには、その筋肉を適切にコントロールし他部位と協調した動きをすることが必要となります。
一般の整形外科疾患の方においては、”関節捻ってを怪我した”・”事故に遭ってしまった”・”頸部や腰部の神経症状を発症した”といったように、関節原性・神経原性の問題でない限り、筋力を鍛える必要性はそこまでないと感じています。そのため、動作を鍛え、関節安定化に寄与する筋の発火タイミングや動作の連動性などに着目する方が良いのではないでしょうか。
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