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筋・筋膜腰痛症
筋筋膜性腰痛症とは、簡単にいうと筋肉痛のさらに悪化した状態と言えます。
腰の周りには、多くの筋肉が存在しています。
肩甲骨付近にまで達する筋肉や、肩まで達する筋肉、股関節まで達する筋肉など、腰だけではなく、上肢・下肢と関連する筋肉も多数あります。
腰全体の部分を覆っている筋膜も存在しています。
筋肉だけでも、腰はいろんな場所から影響を受けやすい部分であることが分かるかと思います。
症状
筋肉が様々な部分から影響していることから、痛みの部位もさまざまです。
特に多くみられるのは、腰や骨盤周囲、殿部、背中などがみられます。
時に、太ももやふくらはぎ、脛の部分にも症状がみられます。
痛みは主に、動いた瞬間(動作時)に出現し、安静時では軽減します。
例えば、長い時間座っている状態から立ち上がる時や、歩き始めの一歩目などで痛みが出やすいでしょう。
痛みの出始めで症状の強い方は、”座っているだけ”・”立っているだけ”で痛みが生じたり、呼吸しただけで痛みが生じることもあります。
要因
『重たい荷物を持ち上げた』など筋肉に過剰な負荷がかかったり、普段の姿勢や動作からの影響が要因となります。
例えば、腰の曲げ伸ばしや捻る動きを頻繁に繰り返すことや、座った姿勢が悪くて常に筋肉が緊張している状態であると、痛みが悪化したり軽くなったりを繰り返してしまうかもしれません。
椎間板や椎間関節、変形、骨粗鬆症などの影響により、二次的に筋筋膜性の痛みを呈することもあります。
また、背中周りや肩・股関節に問題を抱えている場合、その筋肉の影響を受けて腰に痛みが生じることがあります。
この場合、腰が問題ではなく、背中・肩周りや股関節に原因がありますので、腰のマッサージを受けてもよくならない場合が多いです。
ぎっくり腰とは?
一般的に、急に腰が痛くなった時は「もしかしてぎっくり腰になってしまったかも?」と思われるかもしれません。
しかし、大体の人が”ぎっくり腰”ではなく、上記の筋・筋膜性腰痛である可能性が高いです。
では、ぎっくり腰とはなにか?
それは、腰回りの筋肉の問題ではなく、骨盤周りの問題になります。
(骨盤周りの問題により、結果的に腰の筋肉の問題も二次的に生じます。)
骨盤は、”仙骨” という背骨の一部と、”寛骨” という横から触れる骨で構成されており、平均約0.2度と非常にわずかな動きをする関節であります。
この部分を『仙腸関節』といいます。
骨盤は、前に傾ける『前傾』と、丸めるように後ろへ傾ける『後傾』といわれる動きをします。
骨盤が前傾の状態であると安定していますが、後傾の状態であると非常に不安定になります。
例えば、床から物を持ち上げるときに、腰を曲げたまま動いてしまった瞬間に”ぎっくり腰”になってしまいます。
これは、おそらく骨盤が後傾している状態であったために、痛みが生じてしまったと考えられます。
骨盤が後傾した状態では、仙腸関節を支える靭帯や周りの筋肉が緊張してしまい、そこに大きい負荷がかかるためにそれに耐えられず痛みが生じてしまったと考えられます。
そうして、骨盤が後傾した状態からなかなか元に戻ることができないため、腰が引けて下半身に体重をかけることができず、症状が強いと呼吸するだけで痛みが響いてしまう状態になってしまいます。
この状態から抜け出すためには、痛みの程度に応じてではありますが、骨盤を前傾させる運動を少しずつ行なっていくことが重要になります。
状態が非常に悪い方は、ご自身で動くことが難しいため、専門家の治療や痛み止めの注射を打ってもらう必要があります。
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背筋と腹筋との関係
『腰が痛いのは腹筋が弱っているからだ!!』と思われている方も多いかと思います。
間違いではありませんが、腹筋を一生懸命に行なった結果、腰を痛める方も多くいます。
腰の筋肉と腹筋は密接に関わっており、両者のバランスが大事だと考えられます。
例えば、腹筋が強過ぎる場合(ここでは腹直筋=シックスパックのことです)、体は丸くなりやすいです。
腹筋は骨盤を後ろに傾ける(後傾)作用があるため、座っている時にも体が丸くなりやすい状態です。
この時、腰部の筋肉は引き伸ばされて続けて緊張しているため、痛みを感じやすくなるでしょう。
一方で腹筋が弱い場合、腰椎を支えることが難しくなります。
そのため、代わりに腰の筋肉を過剰に緊張させてしまい、痛みを感じやすい状態になります。
そうなると、腰を無理に反ってしまう姿勢となり、腹筋は使わない姿勢となるでしょう。
今の腰痛が、腰を丸めると痛いのか反ると痛いのかということ、普段の座っている姿勢や立っている姿勢が連動してきます。
痛みがある時に、どちらの姿勢をとりやすいのかを把握しておくことは、今後腰痛を再発させないためにも必要なことになります!
腰痛を軽減させるためのエクササイズ
先ほどの、骨盤の前傾と後傾の要素を踏まえて、それぞれに対応したエクササイズをご紹介していきます。
ここでは、ストレッチではなく、からだを動かしていく練習になります。
骨盤が後傾しやすい場合
ここでは、腰を曲げずに股関節を曲げていく練習をしていきましょう。
腰椎はもともと軽く前に反っている(前弯)ため、骨盤を前傾させて、軽くお腹を突き出した状態を保つことが重要です。
- 肩の下に手をつき、股関節の下に膝をついた四つ這い姿勢をとります
- 腰を丸めずお腹を突き出し、お尻を後方に突き出したような姿勢をとります
- 上記の姿勢を保ったまま、お尻を後方へ移動させます
- 額が手のラインを越えたあたりで止まり、元の位置に戻ります
- 毎回②の姿勢を再確認しながら、10回を2セット行いましょう
※動作中に痛みを感じる場合は、姿勢や動き方が違う可能性があります。
※姿勢や動かす方向を変えても痛みが生じる場合は、エクササイズを中止し、他のものを試してみてください!
骨盤が前傾しやすい場合
ここでは、下腹部に少し力を入れるよう意識をして、腰の筋肉を使いすぎないように動かす練習をしていきます。
骨盤を後傾させる作用を持つ、お尻や太もも裏面の筋肉を使うことで、普段動かさない方向へからだを動かしていきましょう!
- 仰向けに寝て、膝を90度曲げます
- 腰は床面につけるように下腹部を引き込み、息を吐きながらお尻を少し浮かせましょう
- この時、腰が反らないように注意しましょう
- お尻・太もも裏面の付け根と下腹部に力が入ると良いでしょう!
- 10回を2セット行いましょう
※動作中に痛みを感じる場合は、姿勢や動き方が違う可能性があります。
※姿勢や動かす方向を変えても痛みが生じる場合は、エクササイズを中止し、他のものを試してみてください!
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