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肩の後面の痛み
今回は、肩の後面の構造から、痛みの要因についてご紹介します。
腕を上げた時や、扉を開けようとして力を入れた時、腕を後ろに回したりする時に、肩の後ろがつまる感じや痛みが生じることがあります。
ボールを投げたり、テニスのサーブなど、肩よりも上で動作を行うスポーツ中に痛みを生じることもあります。
肩の後面の構造
肩の後面は三角筋に覆われており、腕を上げたり後ろに引いたりすることができます。
その他に、上腕三頭筋(腕の後面の筋肉)や大円筋(脇の部分)も腕を後ろに引く作用を持つ筋肉です。
肩のインナーマッスルの筋肉・腱も存在しており、後面は棘下筋・小円筋が存在しています。
2つの筋肉は、肩を捻る作用を持ち、肩関節の安定に寄与します。
これらの肩後面の筋肉の間を、腋窩神経が通過しています。
上腕三頭筋や大円筋・小円筋に負担がかかることで、筋肉の緊張が強くなったり硬くなってしまうと、腋窩神経を圧迫することになります。
そうすると、肩の側面から後面にかけて痛みを感じることになります。
肩周りの筋肉を押しても痛みがない場合は、この要因が考えられます。
肩甲骨側の筋肉は、表面を僧帽筋・深層を菱形筋が覆っています。
どちらの筋肉も、肩甲骨を寄せる動きに関与します。
肩後面の痛みについては、『肩関節周りの問題』と『肩甲骨周りの問題』に分けて解説をしていきます。
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肩関節周りの問題
まずは、肩関節周りの筋肉の問題を考えていきます。
三角筋の中でも特に後ろの部分(三角筋後部線維)が痛みの原因であることがあります。
普段の姿勢が、猫背であることが一番の問題になってきます。
猫背であると、肩甲骨・肩が前に入ってくるため、腕も前にくるのが普通です。
しかし、肘の位置は体側に位置する様に、自然と後ろに引いている位置を保っていることが多いです。
こうなると、三角筋の後ろに常に力が入っている状態となるため、血流が阻害されて痛みを感じやすくなるでしょう。
スポーツをされている方は、この状態でボールを投げたりテニスのサーブを行うと、肩の後面にさらにストレスがかかります。
特に、棘下筋の筋・腱部分や、関節付近の関節包にも負担が増大します。
腕を動かした際に肩の詰まる感じや、肩がうまくはまっていないような違和感を感じ、徐々に痛みを感じる様になってきます。
まずは、三角筋のストレッチを行うことでも痛みは多少緩和していきますが、元々の肩甲骨の動きや猫背の姿勢が問題となっていることが多いです。
肩甲骨周りの問題
今度は、肩甲骨周りの問題を考えていきましょう。
先ほど、「肩甲骨の動きが悪い」や「猫背の姿勢が影響している」とお伝えしました。
”猫背”になると、元々後弯している胸椎がさらに丸くなってしまいます。
肩甲骨は、肋骨上を滑るように動いているのですが、その肋骨の位置も下にさがった様な状態となり、肩甲骨の動かせるスペースが少なくなってしまいます。
つまり、『猫背の姿勢』と『肩甲骨の動き』には相互関係にあると言えるでしょう。
背骨と肩甲骨を結ぶ『僧帽筋』や『菱形筋』の筋肉を使わなくなってしまうことで、肩甲骨を引き寄せる動き・胸を張る姿勢を保持することが難しくなってしまいます。
だからと言って、『猫背のままでいい!』という訳ではなく、なるべく肩甲骨を寄せて胸を張る良い姿勢を心がけることから始めると良いでしょう。
動きの悪い状態が長期間継続している場合、胸椎や肋骨が硬くなっているため、後に紹介するエクササイズを行なっていきましょう!
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肩のストレッチ
まず、肩の後ろの筋肉のストレッチを行なっていきましょう!
座ったまま簡単に行えるため、普段の生活の中でこまめに行なっていきましょう!
右側の例
- 右腕を肩の高さまで挙げます
- 左手で右肘を押さえます
- 右肘を左側へ引っ張っていきましょう
- 右肩の後ろが伸びる感じがあると良いでしょう
※身体を左に捻らないように注意しましょう
※深呼吸をしながら10〜15秒伸ばしていきましょう
肩の後ろではなく前が詰まる感じがする場合は、タオルを丸めたものを脇に挟んで行うと良いでしょう。
違和感が出てしまう場合にはストレッチを中止し、次のストレッチを行いましょう。
肩甲骨のストレッチ
今度は、肩甲骨を動かす練習をし、肩の痛みを軽減していきましょう。
背骨や肋骨も一緒に行うことができますので、猫背姿勢の改善も期待できます。
右側の例
- 右側を上に横向きに寝て、両膝を抱えるように股関節を90度曲げます
- 左手で膝の部分を押さえて、右手は耳の後ろ後頭部を触れます
- 肘を開いて、天井の方を見るようにして身体を開いていきます
- 肩甲骨が床面に着けるように動かします
- 肘を開きすぎると肩が痛む場合は、肘を少し内側に閉じておきましょう
- 可能な範囲まで捻ったところで深く息を吸い、息を吐く時にさらに上半身を捻りましょう
このストレッチは、痛い方の肩だけ行うのではなく、左右両方で行うと良いでしょう!
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まとめ
肩の後ろが痛くなってしまう要因が、少しでもわかりましたでしょうか?
普段の姿勢や、肩・腕の動かし方というものが大きく影響してきます。
後ろのものを取るときなども、腕だけを後ろに回すのではなく、肩甲骨から動かし始めた方が良いでしょう!
この意識の積み重ねが症状を軽減させ、再び痛みを生じさせないことにも繋がるでしょう!
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