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からだに痛みが生じている
からだのどこかの場所が痛い、あるいは違和感を感じている方からは、必ずと言っても良いほど「運動をしても良いですか?」という質問を受けます。
これに関して私の見解は、『身体の現状を踏まえ、どのような運動をするのかによる』というものになります。
当たり前のことではありますが、それを考慮しないがために、痛みや違和感などの症状が改善されないケースというものは非常に多いと感じております。
このようなことから、今回の記事では2つの観点からまとめていきます。
②そもそもなぜ運動してはいけないのか?
①運動しても良いタイミングと悪いタイミングの見分け方
運動しても良いタイミングと悪いタイミングを見分けることは非常に難しいのですが、ある程度の指標があることが大切だと思っております。
運動しても良いタイミング
まず第一に、運動しても良い場合は、痛みや違和感などの症状が改善された時です。
これは当たり前のことですね。特に症状がなければ制限をかける必要もありません。
次に、普段の生活では症状を感じないけど、特定の動作を行っている時だけ痛みが生じる時です。
この場合、特定の動作を避けるか、あるいは特定の動作を“どのように行えば症状が改善するのか”に焦点を当てていく必要があります。
ウォーミングアップでエクササイズを追加してみることで特定の動作時の症状が改善するのか、あるいは、日々のケアを入念に行うことで症状が改善するのか、両方が必要なのか、色々と試していく必要があります。また、オフ日を増やしたり、症状の発生する特定動作を行う頻度を減らすことが必要になるかもしれません。
このような局面では、ある意味運動をすることで症状が発生するかを確認しながら進めていく必要があります。
ただし、これには注意点があります。ここで解説するよりも、下記の内容を踏まえた方が理解しやすいと思いますので、ぜひ読み進めていただければと思います。
・特定の動作時のみ症状が発生するタイミング
運動を控えた方が良いタイミング
私個人としては、運動を控えた方が良いタイミングを理解することの方が重要だと考えております。
まず第一に、症状が発生してから日数の経過が少ない時期(いわゆる急性期)では、運動を控えた方が良いでしょう。それは、組織が損傷している可能性があり、あらゆる動きの場面で痛みが生じやすいからです。
一度痛みを感じてしまうと、しばらくは痛みを感じるボーダーラインが低くなってしまい、わずかな刺激でも痛みを感じてしまう恐れがあります。
そして、わずかな刺激でも繰り返し加われば、症状・組織が治ることを遅くする可能性がありますので、運動するのが悪いタイミングと言えるでしょう。
次に、怪我や事故によって組織が損傷してしまった場合です。
ここで大切になるのが『どの組織に問題が生じているのか』ということです。
筋肉の損傷をしてしまった場合、組織の治癒には2〜4週間は必要になることが多いです。損傷が激しいと2ヶ月ほどかかる場合もあります。このような場合、痛みは改善されてきていても、筋肉は修復途中であるため、そこに負荷をかけてしまっては返って状態を悪くすることに繋がります。
普段の生活で痛みを感じなければ運動しても良いと上記でお伝えしましたが、怪我や事故による組織の損傷がある場合は注意しなくてはいけません。もちろん、筋肉だけではなく、腱や靭帯、骨も同様に治癒するにはある程度の期間が必要になります。
これらは、必ずしも痛みとはリンクしません。そのため、必ず医師の診断やコンディショニングの専門家の意見を取り入れる必要があります。
・怪我や事故など組織が損傷している場合
組織損傷と痛みは必ずしもリンクしないため、組織の治癒よりも痛みの軽減が速い場合もあれば、逆に組織が治癒しているのに痛みが継続してしまうこともあります。
痛みだけが残ってしまう場合は徐々に運動を行い、負荷量を増やしていく必要があるかもしれません。これも同様に専門家の意見を仰ぐ必要があります。
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②症状がある時に運動を行ってはいけない理由
そもそも、なんで症状がある時に運動を行ってはいけないのか?ということは、皆様疑問に思われるかもしれません。
運動禁止の場合もあれば、全ての動きをしてはいけないのではなく「この動きはいいけど、この動きはしないでね。」という部分的に制限をかける場合もあります。
この内容では、怪我や事故などによるものではない、『特に理由はないけど、痛みや違和感の症状を感じている』場合のことを解説していきます。
痛みや違和感などの症状がある場合、基本的には症状が発生するのを回避するために“庇う動作”を行います。ヒトの身体はある意味賢いので、このような回避行動を勝手に行います。
これはいい側面もあれば、悪い側面もあります。
良い側面としては、症状を感じなくて済むため嫌な思いをしない、ある程度は動きやすい状態になります。しかし、運動をするといった場面では、悪い側面が多くなります。
庇う動作をするということは、普段ご自身が行っていない動き方をすることになります。それは、必ずしもご自身の身体状態に適した動き方ではなく、ある場所の症状を回避するために違う場所に負担をかけてしまう可能性が高いです。
この庇った動き方を続けていると、最初に症状が発生した場所とは違い場所に問題を抱えてしまうことになります。
例えば、足首を捻挫して、治ったと思ってランニングを再開したら、「今度は膝が痛くなってしまった」や「太ももの付け根が痛くなってしまった」というようなケースは非常に多いです。
そのため、症状を改善(組織の治癒も含む)させるだけでなく、からだの動かし方も改善させる必要があります。
一見遠回りかもしれませんが、長期的な視点で捉えれば近道だと私は考えます。
今回の記事を踏まえて、運動を行うかどうかを考えていただけますと幸いです。
症状に関してご相談やご質問等がある場合は、お問い合わせフォームや匿名でできる質問箱などをご利用ください。
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