エクササイズ・トレーニング時の外在的フィードバックの与え方

エクササイズ・トレーニングにおける外在的フィードバックの与え方のトップ画像 コラム
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エクササイズ・トレーニングの指導

エクササイズ・トレーニングを指導する際には、相手に改善方法を提示することや注意点・ポイントを解説することがあります。なるべく効果的に効率良く、動作・運動を学習してもらうためには必要なことです。

このように何か情報を与えることを”フィードバック”といいますが、フィードバックにも2種類あるのはご存知かと思います。

四つ這いの3点支持の画像

一つは『内在的フィードバック』で、関節包・靭帯・筋・皮膚の組織から感覚入力が入ってくることによるものです。いわゆる、ご自身の身体の中で生じた事によって、ご自身が得る感覚情報のことです。

もう一つは、『外在的フィードバック』で、視覚・聴覚・触圧覚などから感覚入力が入ってくることによるものです。セラピスト・トレーナーの方が、患者・クライアントに対して、口頭指示をすることや映像を見せることなど、外部から人為的に与えられる情報のことです。

フィードバック

内在的フィードバック:自身が得る感覚情報

外在的フィードバック:外部から人為的に与えられる感覚情報

どちらもメリット・デメリットがありますが、今回は”外在的フィードバック”に焦点を当てて、フィードバックの与え方の種類と解釈方法をまとめていきます。

外在的フィードバック

患者・クライアント(学習者)が、動作・運動を学習するためやパフォーマンスを向上するためには、外在的フィードバックによる感覚情報を与えることは必要だと考えております。

しかし、外在的フィードバックを与えすぎることは、学習者がフィードバックに依存することを招いてしまいます。

大前提として、動作・運動を学習してもらうためには、内在的フィードバックを基に学習者自身が運動制御できなければいけません。

スクワットを行う女性の写真

内在的フィードバックによる感覚情報が間違っていると、不適切な動作・運動を学習してしまうことになりますので、それを防ぐためには外在的フィードバックが必要であるということになります。
つまり、外在的フィードバックは内在的フィードバックを補完するもの、適切な内在的フィードバックへと誘導するものであるべきです。

まとめ

  • 学習者自身の内在的フィードバックを用いることが重要
  • 外在的フィードバックは内在的フィードバックを補完するもの
  • 外在的フィードバックの過剰供給はフィードバックへの依存を招く

この外在的フィードバックは、改善点・注意点を言葉で伝えること、学習者を撮影しそれを見てもらうこと、適切な動作・運動へと導くために道具を用いることなどがあります。

上記のことは学習者自身が、聴覚からの刺激で修正できるのか、視覚からの情報で修正できるのか、物品などにより方向が提示されたり指標が定まれば修正できるのか、それぞれの刺激・情報により内在的フィードバックを引き出せるかが違います。
何が関係しているかは明確には断言できませんが、その方の運動歴であったり、情報処理の優位性が関係しているのかもしれません。これらを駆使して、セラピスト・トレーナーの方は外在的フィードバックを与えていく必要があります。

以下の内容では、外在的フィードバックを与える方法を4つ解説していきます。

外在的フィードバック

  1. フェーディング・フィードバック
  2. エラーに対するフィードバック
  3. パフォーマンスに対するフィードバック
  4. サマリー・フィードバック

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フェーディング・フィードバック

フェーディング・フィードバックと言われる手法です。

フェーディングとは、フェードアウトと解釈していただいて良いかと思いますが、徐々にフィードバックを減らしていくことを指します。

皆様も特に何の気無しにこのテクニックを利用されているかもしれませんが、非常に使いやすいものになります。

動作・運動学習の始めは不適切な部分が多く生じてくるかと思いますので、最初はフィードバックを多く与えて動作・運動を修正し、徐々にフィードバックを減らしていき、最終的にはフィードバックなしでもその動作・運動が行えるようにしていくという手順になります。

このフィードバックは、言語指示による聴覚からの情報入力が主になります。

徐々にフィードバックが減っていくタイミングで、学習者はフィードバックがないことに不安を感じるかもしれませんが、それが無いようにすることは我々に必要な技術であると感じます。

エラーに対するフィードバック

エラーに対してフィードバックをする手法になります。

これも自然と行っているかもしれませんが、動作・運動の中でエラーが生じた時のみフィードバックを与えるということです。

例えば、スクワット時に膝が内側に入ったらフィードバックを与える、立ち上がり動作時に膝が前に動いたらフィードバックを与えるといったような内容です。

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パフォーマンスに対するフィードバック

パフォーマンスに対してフィードバックをする手法になります。

先程のエラーに対するフィードバックと似たようなもので、全てのエラーに対してフィードバックを与えることはせず、特定のエラーのみにフィードバックを与えることになります。

例えば、立ち上がり動作時に膝が前に出てしまう方に対してフィードバックを与える場合、膝の前の位置に棒などを設置します。立ち上がり動作時に膝が棒に触れたらエラーになり、触れなければエラーになりません。
棒の位置をつま先直上くらいにすると多少のエラーに対しては許容する形となり、膝のすぐ前にするとエラーの幅は狭くなるということになります。

この例と先程のフェーディング・フィードバックを合わせると、まずは膝のすぐ前に棒を設置し、そこから徐々に遠ざけていきます。最終的には棒によるエラー検出をなくす、といったようにエラーの幅を広げてフィードバックの回数も減ることで、学習者が内在的フィードバックを頼りにするよう促していくことが必要です。

私の場合、動作・運動学習を進めるにあたり、上記のような手順でフィードバックを与えることが多く、効果を感じられやすい手法と感じております。

サマリー・フィードバック

サマリーをフィードバック手法になります。

サマリーとは、要約・まとめのことです。

エクササイズ・トレーニング中はフィードバックを与えず、終わった後で総評を伝えるということになります。

スイミングのコーチ

動作・運動を覚え始めや覚えたての頃には不適切な場合がありますが、ある程度安定している状態・慣れている動作に関しては、このような手法をとっても良いかと思います。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

普段エクササイズ・トレーニング指導されている方も、このようにフィードバックについて考える機会は少ないかと思います。

普段行っていることにワンポイント簡単に付け加えることができ、非常に有用なものですので、日頃から試していただけると幸いです。

エクササイズ・トレーニングの最終目標は、無意識下での動作・運動を改善することにあります。

つまり、内在的フィードバックに焦点を当てること、外在的フィードバックに頼りすぎないことが重要となります。

また、学習者が感じている内在的フィードバックと、セラピスト・トレーナーが与える外在的フィードバックがズレている場合、動作・運動の学習は思うように進まないことがあります。

例えばスクワットの時に、学習者は膝の位置・向きを意識しているのに、セラピスト・トレーナーが脊柱に対するフィードバックを与えている場合です。
この場合、おそらく動作は修正・改善することは難しいでしょう。一時的にできたとしても、それを学習しているわけでは無いと考えられます。

まずは、相手の感覚・意見も取り入れつつ、それを擦り合わせて統合していく作業が必要になってくるでしょう。

こちらの記事では、動作に介入した方が良い理由についてまとめていますので、併せてご参照ください。

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