SLR(Straight Leg Raise)の評価は、臨床現場において有用性が高く、頻回に実施されるものでしょう。
この記事を読んでくださる方も、多くの場面でSLRテストを使用されているかと思います。
SLRの可動域に制限があった場合、「ハムストリングスの短縮だ!」と考える方も多いかもしれませんが、SLRの結果から考えられることはそれ以外にもあります。
大きく分けて下記の6つのポイントから解釈・考察する必要があります。
・自動運動と他動運動の違い
・骨盤の後傾と前傾
・腹筋群・コアの先行収縮
・反対側下肢の影響
・ハムストリングスの短縮と弛緩
今回の記事では、SLRを評価・解釈する上で大切なポイント、基礎的な評価解釈から臨床応用までを詳しく解説するので、ぜひ最後まで読み進めてください!
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後面チェイン・筋連鎖の影響
後面チェインとは、言葉通り“後面の繋がり”のことです。
腓腹筋-ハムストリングス-脊椎傍筋というように、足部から頸部にかけての筋連鎖という解釈で良いかと思います。
後面チェインのある一部分が緊張・短縮している場合、SLRの動作時に制限が生じるかもしれません。
「どういうこと?」
と感じると思いますので、もう少し解説します。
腓腹筋や腰部伸展筋群が短縮・緊張している場合、ハムストリングスは伸張されて緊張が増加し、SLRの可動性が低下する可能性があります。
全体を繋がりのあるものと考えるので、一部分の緊張・短縮がある時は他の部分の緊張を生み出します。他の部分においては、短縮は生じず、むしろ伸張位に置かれて緊張するイメージです。
輪ゴムを2~3個繋いだもので例えると、ある一部分が引っ張られた時には全体の張力が増加し、“ピン”と張った状態になりますよね。それと似たような感じです。(分かりにくければ実際に輪ゴムでお試しいただくのが良いかもしれません)
後面チェインの可動性低下⇔コアの機能不全
SLRの時に後面チェインを抑制できない場合、横隔膜、腹横筋・腹斜筋群、胸腰筋膜・多裂筋、骨盤底筋群によるコア・インナーユニットの安定性・運動制御が機能不全を起こすと考えられます。
コアは身体を安定させる部分です。
身体を安定させることに対して、後面チェインの緊張に頼っている、後面の緊張によって安定性を形成していると考えます。逆に言えば、コアが安定しないための代償とも捉えられます。
ただし、「卵が先か、鶏が先か」の話になってしまうため、後面チェインとコアは相互関係にあると考えるのがオススメです。
『後面チェインの可動性低下⇔コアの安定性・運動制御の機能不全』
コアの不活性は腰部・骨盤帯の不安定性と関係し、股関節の可動性を制限するかもしれません。
簡単な例を挙げます。
コアの不活性に伴って、腰部伸展筋群が過活動を引き起こし腰部伸展・骨盤前傾が生じると、ハムストリングスは伸張位になります。既にハムストリングスが伸張されていれば、SLRの可動性も低下すると考えられますよね。
この場合、ハムストリングスを抑制することは、身体の機能不全を助長する形となるため、まずは腰部伸展筋群を抑制することから始めると良いでしょう。
自動と他動の違い
SLRの中でも簡単な鑑別評価としては、自動運動と他動運動を比較することです。
自動運動(ASLR)では、コアの運動制御+下肢の運動制御になり、身体の総合的な安定性+可動性を評価しています。
他動運動(PSLR)では、膝関節伸展位における股関節屈曲の可動性を評価しています。
評価内容としては同じ動きですが、得られる結果・解釈の仕方は大きく違ってくるのです。
動作難易度・評価のレベルとしては、ASLR>PSLRになります。
自分で動きを制御する方が難易度は高い、とてもシンプルです。
そのため、評価の流れはASLR→PSLRで進めると良いでしょう。
セラピストが患者さんのある程度の可動性を知った上で、他動で評価する方が安全ですし、患者さんの心理面においても良いと考えられます。
以下では、ASLRとPSLRに分けて掘り下げていきます。
ASLR
ASLRは、体幹〜下肢の総合的な安定性と可動性の評価です。
腰部・骨盤帯が安定した上での股関節の分離運動が必要とされ、下肢の重量に抗うための安定性を補完するために様々な代償動作が生じる可能性があります。
腰部伸展筋群で代償したり、頸部を代償したり、肩関節・肩甲帯で代償したりと、“コア”の機能を活かせないために他の部分で安定性を作り出すということです。
コアの運動制御+下肢の運動制御の2つの機能について解説していきます。
コアの運動制御
コアの運動制御は、『腰部・骨盤帯の動的制御』『胸郭・呼吸の制御』の2つに分けられます。
股関節の可動性を生み出すためには、腰部・骨盤帯が安定している必要があります。
吸気で横隔膜が短縮・収縮位で下降すると、肋骨外旋し腹部の筋は伸張され、腰部伸展筋群の過活動を引き起こす可能性が高くなります。横隔膜と骨盤底筋群の活動は連動するので、横隔膜が下降していると、骨盤底筋群も伸張・弛緩・下降してしまい、インナーユニットの機能破綻に繋がるでしょう。
正しい呼気で肋骨を内旋することができれば、横隔膜が上昇し、腹部の筋は活性化され、同時に骨盤底筋群も活動しやすい状態になります。
呼吸による肋骨の動きが機能的であれば、腰部・骨盤帯の安定性に寄与する筋が活動しやすい環境となります。
そして、ASLRの際にインナーユニットの筋群が、適切なタイミングで、適切な力発揮が行えることが大切だということです。もう少し詳しい内容は、下記の「コアの先行収縮」の項でまとめていきます。
下肢の運動制御
下肢の運動制御とは、動作側の下肢だけではなく、反対側の下肢も影響してきます。
この反対側の下肢については、下記別項で解説しますので、ぜひ読み進めてください。
動作側の下肢においては、股関節を屈曲する際の前額面・水平面の動作制御が必要になります。
いわゆる内旋・外旋、内転・外転の代償動作が生じない、矢状面上の純粋な屈曲動作が望ましいです。
その他、膝伸展位を保持するための広筋群の活動、足関節中間位を保持するための背屈筋群の活性化と底屈筋の抑制、足部内反・外反の制御、足趾の過剰な緊張を抑制する必要もあります。
(足関節底屈筋群の抑制の必要性については、前項の後面チェインで解説したのでご参照ください。)
ASLRは股関節の分離運動になりますが、足部や足趾での代償動作が生じるかもしれません。これは、股関節の安定した動作を行えないために、末端を緊張させることで股関節周囲筋の活動を補完する、筋連鎖の観点からも同様のことが考えられます。もしかしたら、コアの機能不全を代償するために行なっているかもしれません。
これらを鑑別することは難しいですが、第一にコアの運動制御→次に下肢の運動制御として解釈するのが良いでしょう。
PSLR
PSLRは、主に後面チェインの可動性に対する評価ですが、股関節屈曲・回旋の可動性も含みます。
そのため、純粋な股関節屈曲・伸展に携わる筋だけではなく、股関節内旋・外旋に関与する筋も考慮する必要があります。いわゆる臀筋群や内転筋群です。
筋が矢状面・前額面・水平面の3平面の動きに関与していることを前提とすれば、当たり前のことだと感じるでしょう。
さらに、「前面の筋肉は関与しないの?」という点ですが、これも考慮する必要があると言えます。
PSLRの動きでは、後面は伸張される動きですが、前面は短縮される動きになります。
そのため、他動的に筋が短縮する能力(求心性・短縮性の筋滑走)が必要になるということです。
これが結構見落としがちなポイントかもしれませんね。
となれば、PSLRだけで評価を終了してしまうのは勿体無いというか、本質を捉えきれてないかもしれません。そこから+αの評価、鑑別評価が必要になります。
これは触診でも良いですし、他方向への他動運動の評価もそうですし、関節の副運動検査もそうです。多角的に評価する必要がありますね。
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骨盤の後傾と前傾
SLRの動作時に、骨盤帯がどのような状況にあるかは大切なポイントです。
下肢挙上時は骨盤帯が安定している必要があります。その上で、股関節屈曲するにつれて、若干の骨盤の動きが必要となります。
これには寛骨臼の傾きや大腿骨の捻転角度、関節包・靱帯などの骨や関節の状態が加味されるため、個人差が生じてくる部分でしょう。
この項では、下肢挙上に伴う骨盤帯の矢状面上の動きについてまとめます。
骨盤後傾
基本的には、骨盤大腿リズムによって股関節屈曲に伴い骨盤は後傾するものですよね。
かといって、股関節屈曲動作の初期に骨盤後傾が生じてしまうことは、骨盤大腿リズムが破綻しているので機能不全と解釈すると思います。
他にも、途中までは純粋に股関節屈曲動作で行えているが、最終域で急激に過度な後傾が確認されることもあります。このように動作パターンは様々です。
・最終域での過度な骨盤後傾代償
有症状であれば、骨盤後傾が過剰となれば仙腸関節痛が生じたり、腰痛や股関節痛が生じたりします。仙腸関節には離開されるストレスが、腰椎には屈曲に伴う軟部組織へのストレスが、股関節には骨・関節周囲のインピンジメントのストレスが増加すると考えられますね。
ただし、下肢挙上に対して骨盤後傾が過剰なのかを見分ける方法、基準というものが明確ではないため、かなり主観的なものになってきます。
評価者によって解釈が変わってくるものですが、症状との関係性や左右差、介入に対する動作の経時的変化を踏まえる必要があります。
変数が多いことから「それだったら診る必要ないんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、
骨盤前傾
骨盤後傾と同様に、SLR動作中の骨盤前傾も機能不全とみなすことがあります。
これは、脊柱起立筋群・腰方形筋や腸腰筋の短縮・過活動によって、腰部過伸展・骨盤前傾位での安定性を確保し動作を行っていると考えて良いかもしれません。
身体は伸展パターンになっているため、腹部の筋は伸張されます。横隔膜は下降・収縮して肋骨は外旋することも、腹部の筋が伸張されるのに繋がります。横隔膜が下降すると骨盤底筋群・骨盤隔膜も弛緩・下降してしまい、コアの安定性は得られにくい状態です。
これもまた、「卵が先か、鶏が先か」の話と同じす。
腰部伸展筋群が過活動することでコアの安定性が失われているとも言えますし、反対にコアの安定性が得られないため仕方なく腰部伸展筋群を活動させることで代償しているとも言えます。
腰部過伸展・骨盤前傾が生じるタイミングは、おそらく下肢挙上動作初期、特に下肢を床面から浮かした瞬間に生じやすいでしょう。
四肢の可動の一瞬前にはコアが先行収縮する必要がありますが、コアの安定性を得られないことによる代償であると考えられますね。
理想としては骨盤は中間位で保持すること、前傾や後傾の代償動作が生じることなく、下肢の重さを支えることができるコア・骨盤帯の安定が大切だということです。
コアの先行収縮
前項までは、コアの機能不全と腰部伸展筋群の過活動(骨盤前傾)についてまとめました。
この項では、コアの部分をより細かく考えていきます。
そもそもコアが安定していなければ、下肢を可動させることは難しいと考えられます。
下肢の重さを支えられるだけの支持性が求められ、体幹部が土台となることで股関節を支点・軸とした運動を遂行可能です。
下肢を動かす前にコアが先行収縮していないと様々な代償が生じるでしょう。
その1つに、「下肢の筋(特に大腿前面)を緊張させて身体の安定性を確保しながら、同時に可動も担う」という大変な役割をする可能性があります。下肢の筋が過緊張している場合は、コアの機能不全が隠れていることを忘れてはいけません。
腹筋群と肋骨の動き
腹筋群は、腹横筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腹直筋の4つで構成されています。
それぞれが少しずつ違う役割を担っていますよね。
SLRの動作時は、腹横筋・腹斜筋群の活動が必要となってきます。腹直筋は優先度が低いです。
「なぜ腹直筋ではダメなのか?」
その理由は、腹直筋は肋骨に付着していないからです。
コアの構成は、上面が横隔膜、後面が多裂筋・胸腰筋膜、下面が骨盤底筋群・骨盤隔膜になります。
腹直筋が肋骨に付着していないということは、横隔膜の機能を最大化し、本当の意味でのコアの活性化を促すことが難しいと考えられます。
もう少し細かく解説します。
このような状況下ではコアは安定せず、腹腔内圧(IAP)の増加もできないでしょう。
「コアの運動制御」の項でも記載しましたが、肋骨が外旋している場合、横隔膜は短縮・下降し腹部の筋は伸張され、腰部伸展筋群の過活動を引き起こす可能性が高くなります。この時、骨盤底筋群も伸張・弛緩・下降してしまい、インナーユニットの機能破綻に繋がるでしょう。正しい呼気で肋骨を内旋することができれば、腹部の筋は活性化され、横隔膜が上昇し、同時に骨盤底筋群も活動しやすい状態になります。
特にASLRの評価においては、コアの先行収縮という考え方が非常に大切となってきます。
“コア”と言われると腹部や骨盤帯を意識してしまいがちですが、胸郭も踏まえて考える必要性があります。特に肋骨の動きには着目していきたいところですね。
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反対側下肢の影響
「ASLR:下肢の運動制御」の項で少し触れましたが、SLRで挙上側と反対の下肢は固定されていなければなりません。
もし反対側下肢が動いてしまった場合、骨盤帯のアライメントに変化が生じ、挙上側下肢の動きにも変化が生じるでしょう。
何回か動作を行っている間に、反対側下肢が動いてしまっていると、SLRの評価の妥当性には欠けてしまいます。
SLRの評価を一定にするためには、反対側下肢が固定されている必要があるということです。
その他にも、膝関節伸展、足関節底背屈、股関節回旋、脊柱、上肢の位置など、基準を設けておく必要があります。
この基準がなければ、SLRの評価を行ったとしても、毎回違う評価をしている恐れがあります。これにはとても注意が必要ですね。
反対側股関節伸展
骨盤大腿リズムを考慮すると股関節屈曲により骨盤は後傾するため、反対側下肢を固定しているSLR動作では相対的に股関節伸展の動きが生じます。
PSLRの場合は、他動的な股関節伸展の可動性が必要です。
また、股関節伸展の可動性に加えて、股関節中間位〜伸展位における股関節回旋の可動性も関わってくるでしょう。この理由に関しては、PSLRの項で解説した内容が適用されてきます。
ASLRの場合は、自動的な股関節伸展の可動性、および股関節中間位〜伸展位を保持する機能(運動制御機能)が必要です。
反対側の股関節伸展を維持できない場合は、大腿前面・外側面の筋の過緊張・短縮や、コアや股関節伸展筋群の活性化・発火タイミング・安定性・運動制御の機能低下が影響してきます。
ASLRの鑑別評価として、反対側股関節伸展を意識させることや、股関節伸展筋群を先行収縮させることで、可動範囲に変化が生じるかもしれません。
もちろん、コアの先行収縮を促すことの方が大切であり、評価の手順としては「コアの活性化→反対側股関節伸展の活性化」という流れが良いでしょう。コアの活性化+反対側股関節伸展の活性化という、2つを組み合わせたアクティベーションが必要な場合もあります。
反対側股関節伸展の機能不全がある場合は股関節が屈曲・外旋すると考えられ、それに伴い挙上側では骨盤挙上・回旋や大腿内旋といった代償動作を示すことがあります。
注意深く、幅広く動作を観察していく必要がありますね。
ハムストリングスの短縮と弛緩
SLR動作において、ハムストリングスの影響は非常に大きいものです。
可動範囲によってハムストリングスの短縮or弛緩と大きく括ることができますが、
「ハムストリングスが緊張してしまう要因が他にあるのでは?」
「ハムストリングスの弛緩はどんな状況?」
というようにもう少し深掘りしていきます。
ハムストリングスの短縮・過緊張
可動範囲が少ない場合(70度以下)、単純にハムストリングスの短縮が考えられます。
その他には、骨盤前傾位によってハムストリングスが常に伸張位にあり、過剰に緊張している状態が考えられます。
前者の場合は、ハムストリングスの柔軟性・伸張性を改善するべきですが、後者の場合はストレッチングをしてしまうと逆効果になるでしょう。後者では、まず骨盤前傾位を修正し、SLRを再度確認して、必要があればストレッチングをするのがオススメです。
『短縮なのか、過緊張なのか』を簡単に鑑別する方法としては、反対側股関節屈曲・膝関節屈曲位(立て膝の状態)にしてSLRを行い、可動範囲の変化がない場合はハムストリングスの短縮が疑われます。
その理由は、反対側下肢を屈曲することによって骨盤大腿リズムによる骨盤後傾を促し、腰部伸展筋群・下肢前外側面の筋群の緊張を和らげて“骨盤前傾位を抑制”できるからです。
他の評価方法もあると思いますが、SLR動作パターンの鑑別評価として臨床的に使いやすいのが上記の方法でしょう。
ハムストリングスの弛緩
可動範囲が過剰な場合(90度以上)、ハムストリングスの弛緩が考えられます。
「日々ストレッチ取り組んでますよー!」という人に限って、ハムストリングスだけがヤケに柔らかすぎるというのは往々にしてありますよね。話を聞いてみると、長座位や立位での前屈ストレッチをひたすら行っている感じが多いです。普段の生活習慣が影響しているかもしれません。
その他の筋もストレッチしており、全体的に柔らかければ良いのですが、一部分の筋肉だけ(この場合はハムストリングス)が柔らかすぎるのは、身体の機能不全を助長させることに繋がるでしょう。
長年取り組んでいる方の場合、ハムストリングスは伸張され弛緩状態になり、張っている感覚や疲労感・鈍重感が伴うことが多いです。このような大腿後面の不快感を改善するためにストレッチングを繰り返し、さらにハムストリングスが伸張・弛緩していくというような悪循環に陥ります。
筋を求心性収縮させる機会が少なく、延伸性収縮の機会が多い状態といえます。この状態では、求心性収縮をした際に筋攣縮(攣る)や肉離れ・損傷が生じやすいでしょう。
大腿後面の不快感を改善するために必要なのは、ストレッチングではなく、ハムストリングスの求心性収縮(付着部同士を近づける)のエクササイズです。ハムストリングスの収縮を知覚することです。
私の臨床経験では、弛緩している期間が長いほどハムストリングスの収縮感覚が得られにくいいので、じっくり期間を設けて実施する必要があります。
求心性収縮を制御できた上で、延伸性収縮の練習もしていくべきです。
ハムストリングスが過度は伸張しやすいので、どこまでの範囲であれば自分の制御範囲なのかを学習しなければなりません。そうでなければ日常生活やスポーツ動作において影響を及ぼすことは難しく、症状がある場合は一時的に良くなっても再発してしまうでしょう。
求心性収縮→延伸性収縮を違う視点で述べると、まずは骨盤後傾動作を学習し、その後に骨盤前傾動作を制御するということです。
骨盤後傾の動作においては腹筋群の収縮も制御し知覚するべきなので、ハムストリングスの弛緩がある場合は腹筋群も同時に活性化する必要があります。
コアの安定性や運動制御において、ハムストリングスの影響を考慮する必要がありそうですね。
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まとめ
SLR動作について、評価の解釈方法、病態との関係性についてまとめました。
全体をサラッとまとめると以下になります。
全ての内容を読んでくださった方は分かるかと思いますが、それぞれの項目が関係し合っているので、1つの部分ではなく全体を捉えるようにしましょう。
評価を進めた先、介入の段階においては、
「SLR動作を改善したければ、SLR動作を改善しようとしない」
これは個人的に大事にしている考え方で、SLR動作に影響を与える原因を追求した方が良いというものです。臨床での難しい点だと思いますが、それと同時にワクワクする楽しい部分かもしれません。
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