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肩側面の痛み
今回は、肩の側面の構造から、痛みの発生要因についてご紹介します。
腕をあげたときに肩の側面に痛みを感じることが多く、腕をあげて作業を行う方から家事仕事を行う方や、スポーツ選手まで幅広く生じてしまう症状になります。
肩のストレッチをしているけれど改善しない、痛みが徐々に悪化しているという状態の方は、今の状態を把握するためにも参考にしていただければ幸いです。
肩側面の構造
肩の側面は三角筋に覆われ、主に腕を前や横に挙げる動きに作用します。
その他には、肩の前や後ろの筋肉、肘の曲げ伸ばしを行う筋肉の腱などが集まる場所でもあり、負担が多くかかってしまうポイントになります。
肩峰下滑液包という、肩の動きを円滑にする組織もあります。
肩関節の上に、屋根のように存在している肩甲骨の肩峰という部分があり、その間に存在しています。そのため、ある意味クッションのような役割をしています。
この組織には、神経が豊富に存在しているため、痛みを感知しやすいのが特徴です。
その他に、首の方からきている僧帽筋もあり、腕を挙げた時にこの筋肉が痛いということもあります。
普段デスクワークが多い場合、重たい頭を支えるため僧帽筋にかかる負担が増加すると、腕を挙げる際にも活動しすぎてしまいつまり感・痛みに繋がります。
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肩関節インピンジメント症候群
腕を挙げることはできるが、”つまり感”や”痛み”が生じることを、「肩関節インピンジメント症候群」といいます。
挙げる途中が痛かったり、下ろす時が痛いという場合もあります。
特に症状を感じやすいのは、90度(肩の高さ)付近になります。
痛みを感じるのは、肩峰下滑液包が多く、この部分にかかる負担が増加すると症状を呈します。
肩関節が要因となる場合が2つ、肩甲骨が要因となる場合が1つ、合計3つの要因が考えられます。
3つの要因によって、『なぜ肩峰下滑液包に負担が生じるか?』を順に解説していきます。
①肩関節の柔軟性が問題となる場合
通常、腕を上げたときに腕の骨(上腕骨)は、肩甲骨に対して下方に下がります。
肩関節は、ゴルフの”ボール”と”ティ”の関係に似ているため、”ボール”側の上腕骨が動くとすぐに”ティ”から落ちてしまいます。
そのため、落ちないように『滑る』動きが出る必要があります。
腕を上げたときに、上腕骨が上にあがりますが、こぼれ落ちないように下方に滑る動きが生じることになります。
ただし、この滑る動きが出るためには、肩関節の下側の筋肉に確かな柔軟性が必要となります。
肩関節の下側は、大円筋や広背筋といった筋肉がハンモック様になっています。
これらの筋肉が硬くなってしまうと、ハンモックがたわまなくなってしまい、『上腕骨が下方に滑らない』ということになります。
つまり、『下方に滑らず上にあがった状態』であると、肩峰下滑液包に負担がかかることになります。
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②肩関節周囲の筋肉が適切に働かない場合
その他に、ローテータカフの機能が悪くなってしまい、関節を安定した位置に保つことができないということがあります。
ローテータカフは、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋といわれる4つの筋肉で構成されています。
それぞれ働きは違いますが、4つ全てが共通して『肩関節の安定させる』に作用しますので、機能が悪くなると上腕骨が上にあがってしまう状態になり痛みが生じます。
腕を挙げるときに肩側面の痛みや違和感に悩まされている方は、こちらの記事を参考にセルフチェックをエクササイズを行なっていただけると良いかと思います。
肩に負担のかかるような運動は避け、少しストレッチを行なった上で、筋肉を使う軽いエクササイズをしていくと良いでしょう。
③肩甲骨の動きが悪い場合
先ほどまでは、肩関節の動きに着目していましたが、肩甲骨の動きも非常に重要になります。
腕を挙げる時、肩甲骨も一緒に上へと動きます。
ただし、肩がすくむ動きとは違うので注意が必要です。
肩のすくむ動きが生じると、耳と肩との間でつまる感じ・違和感を感じやすいです。
ここで大事になるのが、肩甲骨の上方回旋という動きになります。
この動きがあることで、”ティ”が下から”ボール”をうまく支えています。
肩甲骨の上方回旋の動きが悪くなると、上腕骨のみで運動を行ってしまい、肩の側面に違和感や痛みを感じることになるでしょう。
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脇の部分のストレッチ
腕をあげるために必要な動きを改善するためには、肩関節の柔軟性が必要になります。
特に重要な、肩の後ろ(特に脇の部分)の柔軟性を向上するためのストレッチをご紹介します。
特に、肩関節の動きを改善してくれるため、①・②に当てはまりそうな方にはオススメです!
右側の例
- 四つ這いになり、両手を中央に寄せます
- 右手を左手の下から通して左手の横に置き、右の手のひらを天井の方に向けます
- 正座をするようにお尻を後ろに引いて、右側の脇の部分を伸ばしていきましょう
- このとき、体重をやや右側にかけるようにすると、よりストレッチ感が増すでしょう
- 10回2セットを1日3~4セット行いましょう。時間がある時にこまめに行うことをオススメします!
※手のひらを天井に向けると肩の痛みが生じてしまう場合、手のひらを床面につけて行いましょう。
※肩の付け根・前面・側面に痛みが生じる場合、体重の掛け方を右斜め後ろに変えるように、色々な方向へ動かして試してみましょう。
※良い伸張感を感じる部分が見つからない場合、このストレッチは中止しましょう。
腕を挙げているのがキツイ、運動中に痛みが強く出てしまうという方は、肩関節に負担がかかっていると考えられます。
肩の付け根・前面に痛みが生じてしまう方は、手の置く場所を肩の高さくらいに設定し、真横に体重を乗せるようにしていきましょう。
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