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開脚ストレッチ
多くの人が知っている”開脚ストレッチ”ですが、これを行うことで股関節を痛めてしまう方が少なくありません。
私は整形外科に勤務していますが、一定数このようなことをきっかけに股関節が痛くなってしまい、歩くのが難しくなってしまう方に出会います。
ご自身の身体のことを考えた上でやっていたことが、逆効果となり痛みが出てしまうのが私としても悲しいことです。
このような方を少しでも減らしていきたいと思いましたので、『なぜストレッチが股関節に負担をかけてしまうことがあるのか?』を今回の記事では解説していきます。
また、ストレッチをやりすぎることによる身体の弊害に関しても解説していきます!
なぜ開脚は股関節に負担をかけるのか?
皆様それぞれ骨格が違います。肩幅が広い人・狭い人、骨盤が大きい人・小さい人、本当に様々です。
それは、”骨格”だけではなく、”関節”も違ったりします。特に、関節面の向きが大きく関与してきます。
股関節は、骨盤側の凹みに太ももの骨(大腿骨)がすっぽりはまり込んでいる関節です。
骨盤側の凹みの角度は人それぞれ違っており、角度が垂直に近い場合は、太ももの骨を覆う割合が狭くなります。このような関節の場合、構造の問題で股関節の可動範囲は狭くなってしまいます。これは先天的なものでして、”姿勢が悪い”・”筋肉が使えてない”などそういう類の話ではありません。
つまり、『身体の構造的に股関節の可動範囲はそこまで大きくない』のです。それを無理に動かしてしまうと、身体は悲鳴をあげて痛みを生じさせてしまいます。
ではどのような動きが負担になりやすいのでしょうか?
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どのような動きが負担になりやすいのか?
簡単に一言で表すと、脚を外側に開く動きです。
脚を横に開いたり(股関節外転)、太ももを外側に捻ったりする(股関節外旋)動きです。
開脚ストレッチの動きでは、横に開いた上でからだを前に倒していきますので、骨盤と太ももの骨が衝突しやすい位置関係になってしまいます。
もともと構造の問題で開けないのであれば、それは関節に大きな負担をかけてしまうでしょう。
次にあぐらをかくようなストレッチです。よく内もものストレッチとしてしようされることが多いですね。これも脚を外側に開いており、さらにそこから外側に捻っている状態です。
先ほどの開脚ストレッチよりも、関節に加わる負担はより大きくなっています。
「からだが硬いから頑張ってストレッチしています!」と、このストレッチを行なっている方のレントゲンを確認すると、やはり骨盤の凹みの角度が垂直に近く、関節の構造上動かすのは難しい場合が圧倒的に多いです。
ストレッチを行なっても内ももの筋肉に伸びる感じがなく、外側が詰まってくるような違和感・痛みがある場合は、上記のことが考えられるので中止した方が良いでしょう。
ストレッチをやりすぎることの弊害
ストレッチは筋肉の柔軟性を高め、関節の可動範囲を大きくする上で必要なことではあります。
しかし、なんでも”やりすぎ”は危険ですよね!
ストレッチをたくさんすることで、筋肉の柔軟性だけが過剰になってしまいます。
本来、筋肉の作用は、力が入ることで関節を動かすことですので、柔軟性だけが優れてしまうと力の入りが弱くなってしまい、使い物になりません。
いわゆる、ハンモックが緩んでしまったような、ダランとした筋肉です。
せっかく良かれと思ってやっていたことが、自分の身体を悪くしてしまうという非常に悲しい結果になってしまいます。
それを回避するためには、筋肉をストレッチした後に、必ず筋肉に力を入れる(収縮させる)ことをすると良いでしょう!
『筋肉を緩め、関節の可動範囲を広げた上で、自分の力でコントロールして動かす!』
このようにすることで、より一層ストレッチの効果が高まりますので、ぜひ普段のルーティンの中にワンポイント加えていただきたいと思います!
コメント
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