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夜間の肩の痛み
今回は、夜中に生じる肩の痛みについてご紹介致します。
肩の夜間時痛は、五十肩や腱板断裂・石灰沈着性腱板炎などでみられる病態です。
主に肩が痛くなり始めてから、2週間〜1ヶ月ほどで落ち着くような症状ですが、日常的に肩にかかる負担が大きいと長期に渡って痛みが生じます。
肩甲骨の位置や肩関節の角度によって痛みの増減があるので、痛みを少しでも緩和できるようにしていきましょう!
夜中に肩が痛い要因
肩を構成する組織の中でも、上に位置している部分の組織が大きく影響していると考えられています。
三角筋や棘上筋などの筋肉や、肩峰下滑液包といわれる肩の動きを円滑にするための袋のような組織が影響しています。
主に痛みを生じさせるのは、この肩峰下滑液包であることが多いです。
肩峰下滑液包は棘上筋の腱(腱板の一部を指します)と近接しているので、この部分での動きが悪くなってしまうと、関節にかかる圧力が増加してしまい、痛みを感知します。
また、普段の生活の中で、痛みをかばおうとして肩周りに力が入っていると、三角筋が常に緊張状態にあるので、寝るときにもその部分の力がコントロールできなくなります。
そのような場合においても、肩峰下滑液包にかかる圧力が増加して、痛みを感知します。
その他に考えられることは、肩の痛みが出ないよう無意識のうちに守ろうとしてしまい、肩が前に入って(巻き肩)くることで、肩甲骨の位置が悪くなってしまいます。
その結果、寝ているときにも床・ベッドから肩の浮き具合が大きくなってしまい、肩にかかる剪断ストレス(ズレるようなストレスのことです)が増えて痛みを生じさせてしまうことが考えられます。
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どのような腕の置き方が良いのか?
上記のことを踏まえると、肩の関節に圧力がかかりすぎないようにすることが必要と分かります。
痛い方の肩を下にして寝ることは、圧力が高くなるので痛みを増してしまうでしょう。
反対に、痛い方の肩を上にして寝ると、痛みが軽減する方も多いかと思います。
それでも若干痛みを感じる方は、三角筋の緊張が強かったり、肩甲骨の位置が悪くて痛みを生じてしまっていると考えられます。
仰向けの状態が一番負担が少ないように感じますが、これも腕の位置が悪いと痛みが強く生じるでしょう。
仰向けの場合
仰向けで寝るときの改善方法としては、肘の下にクッション等(バスタオルなどでも代用可)を置いて、肩関節よりも少し高い位置になるようにしましょう。
お腹の上に手が置けると、さらに楽になると思います。
置けない方は、その部分にもクッションを置いて手を支えてあげると良いでしょう。
何もない!という方はポケットに手を入れておくのでも、多少は楽になるかと思いますのでお試しください。
横向きの場合
横向きで寝るときの改善方法としては、脇の間にクッションや枕などを挟むようにすると良いでしょう。
肩関節に圧縮されるストレスが軽減するため、痛みを感じることも少ないと考えられます。
寝ている途中で抜け落ちてしまうこともあるとは思いますが、まずは入眠時に痛みが少ないことが大切ですので、一度お試しください!
痛みを軽減させる肩周りの運動
炎症期で痛みが強い場合では、肩関節を動かしていくよりも、肩甲骨や背骨・肋骨など肩関節以外の部分を動かしていくことが重要になります。
そのため、まずは肩周りの筋肉をリラックスさせ、肩甲骨の位置を安定させる運動を2種類ご紹介します。
肩甲骨の上げ下げ運動
座ったまま行えるため、日常の生活でこまめに行うことができる運動になります。
一回にまとめて行うよりも、1〜2時間の間隔で10回ずつ行うと良いでしょう!
右側のチェック例です。
- 頭から骨盤まで一直線に、背筋を伸ばして座ります
- 肩を耳に近づけるように、動かしましょう
- 今度は、力を抜いて肩を下げていきましょう
※肩をまっすぐ動かすことがポイントです。
※猫背の方は、肩が前に入り込んでしまうため、注意して行いましょう!
背骨・肋骨・肩甲骨を捻る運動
肩甲骨とともに胸椎・肋骨の動きも改善するため、普段デスクワークで猫背姿勢が多い方にもオススメです。
右側のチェック例です。
- 右側を上に横向きに寝て、両膝を抱えるように股関節を90度曲げます。
- 左手で膝の部分を押さえて、右手は左のお腹・肋骨部分を把持します。
- 天井の方を見るようにして身体を開いていきます。
- 肩甲骨が背骨に近づくよう引き寄せて、耳から離すように少し下げる意識をします。
- 肩甲骨が床面に着くことを目標にしましょう
- 10回を2セット、ゆっくり深呼吸をしながら行いましょう。
※動作中に痛みを感じる場合は、姿勢や動き方が違う可能性があります。
※姿勢や動かす方向を変えても痛みが生じる場合は、エクササイズを中止ししましょう
※脇腹を把持できない場合、クッションやタオルを丸めたものを挟みましょう
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まとめ
肩の夜間時痛がある場合は、肩関節周囲の炎症が生じていることが考えられます。
いったん痛みが落ち着き炎症が治ってきた時でも、無理して動かしてしまった場合、再び強い痛みが再発してしまうこともあります。
また、痛みの範囲や程度も個人差が大きいため、1ヶ月以上この症状が続く場合もあります。
動かしていないときの痛み(安静時痛)がなくなってくるタイミングで、肩関節をゆっくり動かす練習を行なっていけると症状が改善していくことが期待できますので、『無理せず焦らず』 ゆっくりと治していきましょう!
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