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筋肉の圧迫による腕・指先の痺れ
腕や指先に痺れを生じさせるのは、首(頸椎)の関節からだけではなく、肩・腕周りの筋肉が神経を圧迫することで症状がでることも考えられます。
首からの症状と診断されて、首の治療も受けているけれど改善されないという場合には、これらのことが考えられます。
肩・腕から指先にかけて広範囲で症状を呈する方もいれば、指先だけという小さい範囲で症状を呈する方もいたりするので病態は様々です。
今回は、肩周りの筋肉が問題となっている場合の状態をご紹介していきます。
筋肉が神経を圧迫することで痺れが生じる
神経に対して刺激が加わる頻度が多くなると、痺れの症状が出やすくなります。
首の関節部分で神経を圧迫したりするストレスが加わることに関してはこちらの記事でご紹介しましたが、筋肉によって神経を圧迫したり、圧迫されたところで引き伸ばされるストレスが加わると痺れの症状が出てきます。
つまり、骨と筋肉の間の部分や、筋肉が硬くなっている部分、筋肉の間を神経が通り抜けている部分では、神経に加わるストレスが増えやすい場所になります。
これを“絞扼性神経障害“といいます。
肩周りの筋肉や肘・手首の部分で生じやすい病態になりますが、今回は『胸の前側の部分』と『肩の後ろの部分』に絞って解説していきます。
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痺れを感じる場面
痺れは、『ピリピリとした感じ』や『ジンジンとした感じ』『一枚上に何か被っているような感じ』『常に違和感がある感じ』というような症状が多いかと思います。
症状の範囲や感じる程度は人それぞれになりますが、肩周りの影響による痺れは、デスクワーク時・電車でつり革をつかんでいる時・重たい荷物を持っている時などに出やすいです。
長時間座っているときに症状が出る方もいるかと思います。
これに関しては、座るときの肩甲骨の位置を少し変えると症状が軽くなる可能性があります。
- お尻だけでなく太ももの裏側にも体重がかかるように座ります(骨盤を前傾させる動きです)
- 手の甲を太ももの上に乗せ、肩の力を抜きましょう
- 肩甲骨を背骨の真ん中に引き寄せるようにして、胸を張りましょう
- このとき、手が太ももの上を移動しますが、肘だけを引きすぎないようにします。
あくまでも”肩甲骨”を引き寄せるようにします。
肩甲骨を寄せることができずに肘だけを後ろに引いてしまったとき、症状が強くなるかもしれません。
うまく肩甲骨を動かせていないこともありますが、これによって症状が出現するのは肩の後ろ(腋窩)での神経圧迫が要因となっているかもしれません。
逆に、症状が緩和する場合は、座っている時になるべくその姿勢を心がけると良いでしょう。
この先は、少し細かい部分に焦点を当てて解説していきます!
少し難しい部分もあるかもしれませんが、なるべく皆様に分かりやすいように解説していきます!
小胸筋による神経の圧迫
胸の前側には大胸筋という筋肉が覆っていますが、その奥深くには小胸筋と言われる筋肉も存在しています。
その筋肉の更に深い部分を、腕の方へ向かう神経の束が通っています。
デスクワークや手先の作業が多い方は、肩が前側に入ってしまう状態が長く続くので、この部分の筋肉が短く・硬くなりやすいのが特徴です。
この筋肉が硬くなってしまい、神経の通り道が妨げられてしまうことで、腕・手・指先にまで痺れが生じてしまいます。
- 仰向けに寝るか、あるいは立った状態で壁に持たれます
- 肩が床面、あるいは壁の部分から拳1個入るほど浮いていると、小胸筋が硬くなっている可能性があります
この筋肉によって痺れが生じる範囲は、上腕〜前腕の前面・手指の手のひら面となります。
デスクワーク作業時やつり革に掴まっている時、重たい荷物を持ったときなどに症状が生じやすいのが特徴です。
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腋窩えきか部分での神経の圧迫
肩の後ろ・脇の後ろ周辺には3つの筋肉が交差しており、その間を神経が通っています。
肘を伸ばす上腕三頭筋や、腕を後ろに引くための大円筋、腕を捻る動きを起こす小円筋と言われる筋肉が問題となりやすいです。
ここの部分で神経を圧迫している場合、肩・腕の後ろから肘の外側、手の甲に痺れが生じます。
- 肘を伸ばした状態で、手を後ろに引いていく時に、痺れの症状が再現される。
- ばんざいをした時に、痺れの症状が再現される。
- 肩の後ろ・脇の後ろを指で押した時に、痺れの症状が再現される
以上の項目に1つでも当てはまる場合は、腋窩部分で神経が圧迫されている可能性が高いです。
痺れ以外にも、腕が上がらないといった五十肩のような症状も定することがあります。
手を前に伸ばしてデスクワークをすることや、頬杖をついた姿勢、横向きで頭を支えるために肘をついた姿勢が繰り返されると、痛みや痺れが生じやすいです。
胸の前のストレッチ
腕の前面や手のひら・指先の痺れがある方は、大胸筋や小胸筋という胸の筋肉をストレッチしていきましょう!
背骨や肩甲骨の動きや、胸の前側の筋肉の動きを改善することで、症状の緩和と共に猫背姿勢の改善にもつながります!
ここでは右肩を上にした横向きの状態で説明します。
- 横向きになり股関節を90度曲げます
- 右の膝を左手で上から抑えます
- 右手を目線の高さから頭上へ向かって動かし開いていきます
- 右の肩甲骨が床あるいはベッドにつくように上半身を捻ります
- 深呼吸をしながら、各10回を2セットずつ行いましょう
※動作中に痛みを感じる場合は、姿勢や動き方が違う可能性があります。
※姿勢や動かす方向を変えても痛みが生じる場合はエクササイズを中止しましょう!
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脇の部分のストレッチ
腕の後ろから手の甲・指先の痺れがある方は、上腕三頭筋と大円筋をストレッチしていきましょう!
座りながら行えるため、日中の空いた時間にも行えるためオススメです。
左側の例
- 両手をバンザイし、左肘を曲げます
- 右手で左肘を把持します
- 右側に身体を倒しながら、肘を右側に引いていきましょう
- 腕の後ろから脇にかけて気持ちよく伸びる感じがあれば良いでしょう!
- 深呼吸をしながら、15〜30秒程度伸ばしていきましょう
※痺れが生じてしまう場合は短い時間で終えましょう。
※少しも行えない方は、上記の胸のストレッチを行いましょう。
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