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膝関節のスクリーニング評価
膝関節痛を有する方を目の前にした時、最初はどのように評価を進めていけば良いのか分からなくなってしまうこともあるのではないでしょうか?
まずは問診などから、受傷機転・既往歴・疼痛誘発動作を確認していきましょう。
その上で、大まかな膝関節へのスクリーニング評価を行い、膝関節内の病変なのか、あるいは周囲の筋緊張による問題なのかを鑑別していきましょう。
今回はその手がかりになるような、膝関節に対するスクリーニング評価を4つご紹介していきます。
Hopping Test
Hopping Test(ホッピングテスト)は、損傷後のスポーツ復帰においては重要な評価です。
膝関節に対して圧縮力が働くため、関節内病変がある場合には疼痛が再現されたり、ACL術後の場合や足関節捻挫受傷後の評価としても用いられます。
この評価は定量的かつ機能的であり、下肢筋力やパワーも評価することができます。
- 片脚立ちになります
- そのまま軽くジャンプします
- 違和感・疼痛がみられる場合には陽性となります
片脚立位バランス機能も同時に評価することができます。
その場でのジャンプが行えたら、前方や側方へのジャンプ動作の評価を行なっても良いでしょう。
スポーツ復帰を目指す方に対して、良い評価だと考えられます。
- Forward Hop Test
- Triple Hop Test
- Crossover Hop Test
- 6m Timed Hop Test
Hop Testとしては4つが挙げられます。
Hop動作時の離地・着地の瞬間、膝関節のアライメントも評価に含めると良いでしょう。
さらに、足部・股関節・体幹の状態も確認するようにするとさらに良いでしょう。
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Deep Squatting Test
次に行うのはしゃがみ動作で、膝関節深屈曲の可動性を評価を行います。
背臥位で膝を抱えてもらう評価でも良いですが、荷重時での膝関節屈曲動作や、足関節背屈・股関節屈曲の可動性を同時にスクリーニング評価することができます。
- 両足部を合わせて立ちます
- 踵が浮かないようにしゃがんでもらいます
- 違和感・疼痛、しゃがめない場合に陽性となります
膝関節の変形や疼痛の程度によっては、しゃがむ動作を行わない方が良い場合があります。
この評価の後では、背臥位での股関節・膝関節屈曲の可動性チェックや、足関節背屈の可動性を確認することは忘れないようにしましょう!
Bounce Home Test
3つ目はBounce Home Testになります。
このテストでは、膝関節の完全伸展における制限があるかどうかを評価します。
完全伸展の制限では、半月板損傷や断片の引っかかり、関節の炎症・浸出液などによる関節内病変が考えられます。
- 背臥位にて他動的に膝関節を屈曲させます
- 片方の手で踵を把持します
- もう一方の手では支えずに、膝関節を伸展させます
- 筋緊張が増加することで完全伸展が制限されたり、弾力性のあるEnd Feel、疼痛が生じる場合に陽性となります
膝関節の支えなしに伸展していくため、患者さんは防御性収縮が伴うことが多いです。
そのため、まずは健側から行い、膝関節屈曲角度も30度未満で浅く設定し、徐々に屈曲位を深くして90度くらいで行えると良いでしょう。
疼痛が生じる場合、膝関節を支持する筋による疼痛の可能性もあるため、半月板の問題や関節内病変であるとは一概には言い切れないということに注意しましょう。
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Recurvatum Test
4つ目はRecurvatum Testになります。
External Rotation Recurvatum Testとも言われており、膝関節を反張させて外旋させるというテストになります。
- 背臥位にて膝関節は伸展させます
- セラピストは母趾を掴みます
- 母趾のみを掴んだまま持ち上げます
- 膝関節が固定されず過伸展してしまう場合に陽性となります
膝関節が反張膝・外旋・内反の状態になると、大腿骨遠位に対して脛骨近位の後方変位してしまうため陽性となります。
そのため、このテストが陽性であると、後外側回旋不安定性と前十字靭帯断裂の可能性があります。
- 外側側副靭帯
- 大腿二頭筋腱
- 後外側関節包
- 腸脛靭帯
- 弓状膝窩靭帯・複合体
後外側不安定性の場合、これらの組織に機能不全が生じている可能性があります。
総腓骨神経にも問題を引き起こす可能性があるため、痺れや脱力感・感覚異常をきたす可能性があります。
問診や触診などから、これらの情報を引き出すようにしていきましょう。
まとめ
今回は、膝関節周囲の痛みがある人に対するスクリーニング評価の導入として4つのテストをご紹介しました。
まず、膝関節内の病変なのか、周囲の筋の問題なのか、はたまた腰椎由来の神経症状なのか?を鑑別することが非常に重要です。
しゃがみ動作の項目でも解説しましたが、膝関節は股関節や足関節・足部の影響を大きく受けます。
そのため、膝関節内病変や膝関節周囲筋の問題が解決されていなくても、股関節や足関節・足部への介入によって動作時の疼痛を軽減させることができると考えられます。
関節内病変が疑われる際は、こちらの記事で紹介している評価を参考にしていただければ幸いです。
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参考文献
- The External Rotation Recurvatum Test Revisited: Reevaluation of the Sagittal Plane Tibiofemoral Relationship:Robert F. LaPrade, Thuan V. Ly, Chad Griffith, Am Sports Med, 2008
- Anatomy and physical examination of the knee menisci: a narrative review of the orthopedic literature:Dr. Michael D. Chivers,Dr. Scott D. Howitt, J Can Chiropr Assoc. 2009
コメント
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