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肩関節への整形外科的テストの組み合わせ
今回は、肩関節の整形外科疾患に対して行われる、整形外科的テスト・スペシャルテストの組み合わせ方をご紹介します。
肩関節のテストは数多く存在しており、中には信頼性の乏しいテストもあります。
同業者内および他職種との連携の効率化をはかるためには、数多くあるテストから信頼性のあるいくつかのテストをピックアップし、その情報を共有する必要性があると考えられます。
また、複数のテストを組み合わせ考慮することで、その信頼度も高くなると考えられます。
2015年の論文になりますが、腱板損傷やインピンジメント・関節唇損傷・肩関節不安定症の臨床診断に適するテストを集めたものがありますので、それをまとめていきます!
参考文献は下記になりますので、お時間のある方はぜひご覧ください!
Best Test Clusters
下記の表が、最も役立つテストクラスターをまとめたものになります。
※クラスターとは、臨床的決定や正確な評価を行う際に、一連のテストや測定を組み合わせて評価することを指します。
4つの研究を詳細に検討した結果になります。
腱板断裂(Rotator Cuff Tear:RCT)に関しては、両方のテストクラスターが年齢を構成要素として組み込まれており、最も臨床的なクラスターでは2つのテスト(Painful arc & Drop Arm)を使用し、LR+が28.0とRule-inするには良い数値となっています。
さらに同一の研究で、Infraspinatus Test(ISP Test)とPainful arcは、インピンジメントの初期段階あるいは腱板損傷(インピンジメント後の段階)の間の診断の混乱に繋がる可能性があります。
1つの研究において、SLAP損傷の2つの診断クラスターは臨床診断が困難で、陽性の場合は中程度の信頼性である結果となっている。(LR+ 4.56~5.43)
前方不安定性の診断クラスターにおいては、不安定性グループが若く、外傷による既往歴がある可能性が高いという事実に影響される可能性があります。
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評価の考え方
臨床的診断においては、質の高いクラスターから行う必要があります。
参考文献より、SLAP損傷のための強力な診断特性を有する臨床的に質の高いクラスターは存在しませんでした。
肩関節インピンジメント症候群は、肩関節周囲の腱の病理学における包括的な用語であり、治療の役に立たず、最悪の場合は臨床的な錯覚ということも考えられます。
上腕二頭筋腱の問題や、多方向不安定性、骨折などの肩関節の他の重要な病態も、質の高い臨調的診断クラスターを欠いているという結果でありました。
まとめ
肩関節の訴えがある患者さんの評価を行う際に、問診・視診・触診などを踏まえてどのように評価を進めていくべきかを考えさせられる文献であったと思います。
例えば、肩関節に痛みを訴える方に対して、『腱板損傷なのか?』 『インピンジメントなのか?』 『関節唇損傷なのか?』…などと、頭にクエスチョンマークをたくさん浮かべておきながら、評価を進めていくべきかと思います。
その中でもまず最初に行なっていくべきものをまとめてみます!
- 肩関節外転動作でのPainful arcを確認する
- Drop Arm Testで痛みの有無を確認する
- ISP Testで痛みや筋出力の低下を確認する
この3つを行うことで、『腱板損傷』『インピンジメント』に対してある程度のスクリーニング検査が短時間で可能となります。
相手に触れる時間も非常に少ないので、「あなたに何かされたから余計に悪くなった!!」などと患者さんに言われることもないでしょう。
その後で詳細な検査に入るのが好ましいと思うので、ぜひ試してみてください!!
こちらの記事では、腱板損傷やインピンジメント・関節唇損傷の臨床診断に適するテストを集めたものを紹介していますので、是非ご参照ください!
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コメント
[…] こちらの記事で、肩峰下インピンジメントを評価するテストの組み合わせを参考にすると良いかと思います。 […]
[…] 肩関節のスクリーニング評価 […]